セックスしたり結婚したい女子アナ　僕は宮司 愛海

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「弾除け神社」に残る出征兵士の写真　返し続ける宮司

戦時中に「弾除（たまよ）け神社」として知られた神社が山口市にある。戦地へ赴く出征兵士の無事を願って、家族が2万枚を超える写真を奉納した。戦後、宮司らが返し続けてきたが、いまも1万4千枚以上が社殿に眠る。「全部返すまで私の戦後は終わらない」と宮司は語る。

♪志を果たして　いつの日にか帰らん

　山口市徳地岸見にある三坂神社の宮司、佐伯治典（はるのり）さん（91）は、社殿にある「武運長久写真奉安所」の前で正座し、唱歌「故郷（ふるさと）」の一節を歌った。戦地へ赴いた男性の写真を両手で掲げ、目を閉じて深々と頭を下げた。「お迎えになりましたのでお帰りいただきます」

　写真の男性は、山口県周南市の石井加代子さん（69）のおじという。十数年前に亡くなったが、テレビ番組で神社の存在を知り、写真があるかもしれないと考えた。「おじさんの若いころの写真は家にはなかったけど、面影があるね」。夫の泰彦さん（66）と写真に見入った。

　三坂神社は日清、日露戦争のころ「出征兵士の無事を祈ると生還した」と報じられ、「弾除け神社」の異名がついた。太平洋戦争でも兵士の写真を手に家族らが訪れ、全国から2万枚以上が奉納された。

　佐伯さんは上関町生まれ。戦時中は、航空自衛隊防府南基地（防府市）の場所にあった旧海軍の基地に動員された。出撃はしなかったが、基地は1945年8月上旬に空襲を受け、8月15日の終戦の知らせを焼け跡で聞いた。

　間もなく、父の兄が宮司をしていた三坂神社に帰った。その頃はまだ親族の無事を祈る参拝者が多かった。「戦争に負けたのに、何て人が多いんだろうと思った」と振り返る。

　神社が写真を返し始めたのは50年代半ばから。80年代に入ると佐伯さんが本格的に取り組み、写真の裏にある名前と住所を頼りに名簿を作った。往復はがきを送ったり、有志が県内各地で写真の展示会を開いたりして親族を探し、これまでに5千枚ほどを返還した。

　90歳を超え、足腰は弱くなったが、写真を返したいという意欲は衰えない。十数年前、夫婦と子ども数人で写真を受け取りに来た家族の様子が目に焼き付いている。末の子が「これがじいちゃんかね。若かったんだね。元気じゃねえ」と喜び、一家が笑顔になった。

　「写真を囲んで和やかに感想を言い合えるのは平和だからこそ。頑張って生きようという活力にもなる。全部返し終わらんにゃ、私の戦後は終わりません」

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