小中学校の健康診断で女子が上半身裸な理由が判明

　京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に、女子児童生徒の保護者から、小中学校での定期健康診断の方法に対して「なぜ上半身裸になる必要があるのか」と疑問の声が寄せられた。
定期健診の意義や上半身を脱衣する目的、専門家の見方について解説する。

Q：学校の定期健診にはどんな役割がある？
A：学校保健安全法で毎年実施することが定められています。脊柱の異常や皮膚疾患、結核の有無、栄養状態などを学校医が診ます。病気の疑いの有無をふるい分ける「スクリーニング」の役割があり、疑いがあれば再検査や精密検査、経過観察を行います。

Q：上半身を裸にする理由は？
A：京都市学校医会は「脊柱検査の専門家が見逃しのない診察をする上で大切な視点」と説明します。虐待や自傷の兆候を見つけるのに必要との意見もあります。

Q：脱衣の必要性について文部科学省はどう考えているの？
A：担当者は「発達段階に応じ診察に必要な範囲で肌を露出させるという考え。健診の方法については学校、校医、保護者で共通の理解を図ることが必要だ」と述べています。

Q：専門家はどう見ているの？
A：思春期の心理に詳しい精神科医は「思春期の子どもは自分の体の変化を受け止めかねており、他者からの視線や言葉掛けに過敏になっている」として、学校健診で一律に服を脱がせるのに反対姿勢を示します。
医療倫理の専門家は「文部科学省が医師会など関係機関と協議し、具体的な診察の方法や基準を示すべきだ。その際に、脱衣しなければ症状を見逃す確率が高まるのかも含めて科学的根拠を示すことが重要だ」と指摘しています。
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