一般道でも自動運転　三菱電機、AI使わない独自技術

レベル3の自動運転システムでは、カメラやミリ波レーダー、レーザースキャナー（LiDAR=ライダー）などのセンサーを使って車両周辺の状況を監視し、高精度地図やGNSS（衛星を用いた測位システムの総称）を用いて自車の位置を把握する。これらの情報を基に自動走行の経路を作成し、その経路を正確に追従できるように加減速や操舵などを制御する必要がある。

ただ、高速道路や自動車専用道路と異なり、一般道には車両や歩行者、サイクリスト（自転車運転者）など検知すべき多くの対象物がある。見通しの悪い交差点や道幅が狭く曲率の大きいカーブなど、道路環境も高速道路や自動車専用道路より複雑だ。

一般道においてレベル3の自動運転を実現するにはセンサーだけでなく、経路の作成や車両の制御に、より高度な機能が求められる。例えばセンサーやGNSS、高精度地図の情報を基に経路を作成して車両を制御しても、実際の走行状態が目標の経路から大きくずれてしまう場合がある。また、車両を制御するアクチュエーターの応答時間の遅延によって一般的に、経路追従の精度が下がる課題もある。

こうした課題を解決するため三菱電機は、経路作成と車両制御のソフトウエア技術を開発した。第1の経路の作成技術では、センサーやGNSS、高精度地図を使って車両周辺の対象物を検知し、地図上の自車位置を把握する。そのうえで、「パーティクルフィルター（PF）」という独自開発した手法を使い、車両周辺の環境を考慮した最適な経路を生成する。

具体的には、時間の経過に伴う車両の位置を作成し、それらの中から目標に最も近い位置をつないで経路の候補を作成する技術（PF）と、PFで作成した経路の候補を拡大し、その中から最適な経路を選択する「RRT（ラピッドリーエクスプローリング・ランダム・ツリー）」という技術を組み合わせた。

第2の車両の制御技術では、車両の数秒先までの動きを予測し、その動きがPFとRRTで作成した経路に最も近くなるように操舵や加減速を制御することで、精度で安定的に追従できるようにする。例えば、曲率の大きなS字カーブなどを走行する場合であっても、操舵や加減速の遅れによって大きく膨らんだり、蛇行したりすることがないようにできる。

国内外の自動車メーカーの中には、一般道におけるレベル3の自動運転を実現するために、認識プロセスだけでなく、経路作成と車両制御のプロセスにAI技術を適用する取り組みを進めているケースもある。

これに対して三菱電機は、「経路作成にはサンプリングベース計画法、車両制御には非線形モデル予測制御法という手法を用いた。AI技術は使っていない」（同社先端技術総合研究所の自律制御システム開発プロジェクトで自動運転システムグループマネージャーを務める酒井雅也氏）という。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK086Y50Y0A201C2000000

まあそういう手法もあるよね

これは中々良い着眼点だね