１２歳の自然体、決意の詰め襟　男子生徒として春から中学へ

１２歳の自然体、決意の詰め襟　男子生徒として春から中学へ、愛知　：中日新聞Web
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男子生徒として中学校に通うことを決め、学生服に袖を通す女子児童＝愛知県内で

「男子生徒として、男子バレー部に入りたいです」。一月に進学する中学校であった入学説明会。マイクを取った児童はきっぱりと言った。保護者が対象の会だったが、自分の言葉で意思を伝えようと出席した。同席した母親が「どうか否定だけはしないで」と涙ながらに訴えると、会場から拍手が起きた。

二年生の時、女の子を好きになった。性的少数者（ＬＧＢＴ）という言葉はまだ知らず、自分でも不思議に思った。リボンの付いた服や、母親に頼まれてはくスカートが嫌だった。

四年生のころ、テレビで身体と心の性別が異なる人の存在を知り「自分はこれだ」と確信。会員制交流サイト（ＳＮＳ）などで、ＬＧＢＴを公言する投稿者の存在にも勇気づけられた。肩まであった髪はばっさり切った。体育の授業前、こっそりトイレで着替えるようになり、仲の良い友達には「自分は男だと思う」と伝えた。

ただ、告白したことで家族仲が悪くなった例も知り、両親に伝えるのはためらった。五年生の時、違和感に気付いていた母親から「プールのお着替え、嫌じゃない？」と尋ねられ、初めてうなずいた。中学に行けば、制服や部活などで男女がより区別される。六年生になって母親と話し合い「中学は男の子として暮らしたい」と決意を固めた。

通っていた小学校では、ＬＧＢＴについて特別授業を実施。本人が自らについて語り、級友らからは「びっくりしたけど、男とか女とか関係ない」「自分も同じかも」などの感想があった。校長は「周りに正しい知識と温かい心があれば、男として生きていくことに何の問題もない」と話す。

進学先の中学校も「全面的に本人が希望する通りにしていきたい」と受け入れの準備を進めている。ＬＧＢＴへの理解を深めようと職員が集まって勉強会を開いたほか、近く本人と保護者に来てもらい、トイレや着替えはどこを使うかといった具体的な対応を話し合う。本人の希望を聞いた上で、生徒たちへの説明の機会も設ける予定だ。

周囲の反応に、児童は「トランスジェンダーの存在をまず知ってもらえてよかった。男らしく女らしくではなく、誰もが自分らしく生きていける世の中になってほしい」と希望を語る。
対応、義務付けなく各校任せ　文科省

文部科学省によると、小中学校の学習指導要領にＬＧＢＴについて学ぶ項目はなく、対応は各校に任せられている。

同省は２０１５年、性同一性障害の児童、生徒らへの対応について通知。教職員向けパンフレットでトイレや着替えなどでの具体的な対応策を紹介しているが、義務付けてはいない。当事者団体「ＬＧＢＴ法連合会」（東京都文京区）は「教員たちの関心の有無によらず、合理的な配慮が義務付けられる法整備が求められる」と指摘する。

ＮＰＯ法人「虹色ダイバーシティ」（大阪市）の村木真紀代表によると、制服の問題などで悩んだ子どもが不登校になったり、進学や就職で不利になったりする恐れもある。「カミングアウトを強制するのもよくない。学校でどう扱われたいかは本人の希望を聞いてほしい」と求める。

トランスジェンダーの要望は個人差が大きく、画一的なマニュアルは適さないとも強調。村木さんは「未成年者には、地元のサークルなどでＬＧＢＴの人と話せる環境があると良い」と話す。

こいつはただ勘違いしてる。
男の心はそんなもんじゃない。