アパートで、隣の部屋のうるさいから嫌がらせしようと思う。　良いネタ教えろ

https://digital.asahi.com/articles/DA3S14897261.html

立場を利用して　悪いことをした人が先生、おかしい

「子どもへの性暴力」第4部は、立場や関係性を利用した性暴力について取り上げます。中学時代に教員から性暴力を受けたと訴えた石田郁子さん(43)にこれまでの思いや、社会に求めることを聞きました。どうすれば子どもたちを守ることができるのか。みなさんと一緒に考えます。
■交際と思い込み「性暴力だったんだ」被害を最小限にするため、加害を防ぐ視点を
悪いことをした人が、そのまま先生をしているのはおかしい――。その思いで教師と札幌市を相手に損害賠償を求める民事訴訟を2年前に起こしました。
周囲からは「なぜ今更?」「好きだったんじゃないの?」などと言われて、理解されないことがつらかったです。でも、私自身は何も悪いことはしていない。実名で顔を隠さないで会見しました。
一、二審ともに請求権が消滅する除斥期間が過ぎているとして敗訴でしたが、昨年12月の高裁判決では中学時代から教師に性暴力を受けていたことは事実認定されました。
中学の卒業式の前日、当時通っていた札幌市の公立中学の美術教師に美術館に誘われました。自宅アパートに連れて行かれて「好きだ」などと言われ、抱きつかれてキスをされた。1993年3月のことです。
教師は当時28歳。
以降、高校入学前は美術準備室で、入学後は先生の自宅アパートなどで体を触られ、キスされ、性交されました。当時の私には、先生を疑うという発想はありませんでした。先生は自分を好きだから性的なことをしてくると思う一方で、子どもである私が性的なことをするのは悪いことだという思いもありました。私は教師から交際だと思い込まされていたのです。
大学卒業後、アルバイトをしながらカメラマンとして働きましたが、自己肯定感を持てませんでした。生きづらさを感じるようになりました。
2015年5月、性暴力事件の裁判を傍聴しました。刑務所や裁判について知りたいと傍聴に通っていて、たまたま行き着いた裁判でした。加害者は20代の児童養護施設職員で、被害者は16歳。加害者が「恋愛だ」と主張しているのを聞き、自分と教師との間に起きたことが重なりました。その後、法律などを調べるうちに「あれは性暴力だった」のだと理解しました。
そのころから眠れなくなりました。
周囲には反対されましたが、その年の12月、教師に連絡し、札幌市内の飲食店で会いました。教師が当時のことを記憶しているのか、どう考えているのかを知りたかったからです。彼は私にした行為について自ら話し、謝罪しました。私はこのとき、性暴力があったことを周囲に理解してもらうには証拠が必要だと考え、会話を録音していました。
翌16年に札幌市教委を訪ね、教師の行為を説明して懲戒処分を申し入れました。市教委は本人が否定しているとの理由で処分はできないと連絡してきました。
そのころから、当時の状況や感覚がよみがえるフラッシュバックが起こり、後に、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。
行為を事実と認定した高裁判決を受け、札幌市教委は教師を懲戒免職とする処分を決めました。
でも、処分決定までの市教委の私への対応は不誠実なものでした。
教員による性暴力を防止するには、懲戒処分の対象となる行為が疑われる場合は、事実認定についての調査・判断は第三者委員会が行うべきです。また、子どもたちに定期的にアンケートをするなど実態調査も必要です。教員に対して、何が性暴力なのかといった研修もきちんと行わなくてはなりません。
性暴力行為の疑いがある場合は、教員を一時的に学校現場から外し、依願退職や異動などによる責任回避をさせないことも必要だと思います。
現状では、懲戒処分されても3年後には教員免許の再取得が可能ですが、再取得はできないようにしてほしい。被害を最小限にするのは、「被害を防ぐ」でなく、「加害を防ぐ」という視点をより重視してほしいと考えます。
■「教委による事実認定、限界」
札幌市教育委員会が当時の教師に聞き取り調査を行ったのは2016年。元教師は一貫して性暴力を否定した。
市教委が相談した弁護士も「客観的な事実が認められない現状で懲戒処分を行った場合、処分の取り消し請求をされると裁量権の逸脱・乱用であると判断され、市教委側が敗訴する」との見解だった。結局、市教委は16年12月、懲戒処分はできないと結論付けた。
しかし昨年12月の高裁判決を受け、市教委は今年1月末、一転して懲戒免職に踏み切った。司法が判決の中で性暴力の事実を認めたことを重く見た
市教委の担当者は「16年の調査では本人が否定している以上、捜査機関ではない市教委が事実認定をするのは限界があった。当時、石田さんが出した証拠を元に踏み込んで詰めるなど、もっと方法はあったかもしれない」と振り返る