イギリス、公衆トイレを半分にした結果そこら中で立ちションが増加。岸田「これも日本の未来」

英国で立ち小便の蔓延が深刻な公衆衛生問題を引き起こしていると、英紙「ガーディアン」が報じている。

男たちが街中でなりふり構わず立ち小便をするようになった原因は、コロナ禍で多くの公衆トイレが閉鎖されたからだ。公衆トイレの減少はコロナ以前から始まっていたが、パンデミックがそれに拍車をかけたといえる。

英国トイレ協会によれば、過去10年間で公衆トイレの数は半減した。同協会のレイモンド・マーティン会長はこう訴える。

「公衆トイレが閉鎖されたために、みんなそこらじゅうで立ち小便をしています。路地でも街角でも、もうどこでもありです。その結果、私たちはこの臭いと染みついた汚れに直面している。これは大きな問題です」

マーティンはロンドン市議会に公衆トイレの再開や増設を要請したが、当局はなかなか対策に動こうとしないという。

とりわけ被害を被っているのは、パブやバーが多い地域に暮らす人々だ。ロンドン中心部ソーホーの住民からは、「郵便受けに放尿された」「夜に家に帰ったら玄関前で立ちションをしている男がいた」などの苦情が報告されている。

さらに、放尿された家の子供たちが男性器を目にしてしまうという問題も起きている。

「小便との戦争」を宣言した自治体

人々が野外で大勢集まるイベントでも立ち小便は問題になる。

たとえば、毎年3月に英南西部グロスタシャーで開催される競走馬の祭典「チェルトナム・フェスティバル」。チェルトナム区議会議員のマックス・ウィルキンソンによれば、この祭典期間中の1週間は例年、住民から「うちの前庭に放尿された」とか、企業から「外壁に尿が伝った痕跡がある」といった苦情が寄せられる。

そこでウィルキンソンは今年、「小便との戦争」を宣言した。「フェスティバル中の立ち小便は以前から問題でしたが、近年とくにひどくなっているからです」と。

立ちション戦争のもとで区が講じた対策のひとつが、街のあちこちの壁に撥水性のペンキを塗ったことだ。「これで街中の静かな場所や壁際で小便をしようとすると、ズボンや靴に自分の尿が跳ね返ってくるというわけです」とウィルキンソンは言う。

その効果はあったのか？

チェルトナム警察によると、今年は立ち小便に関する苦情が減少しているという。ただし、「油断はできない」らしい。

https://courrier.jp/cj/325339/