- 1 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:06:22.064 ID:xXxNCqVI0
- 禁書「とーまっ!ねぇ、とーまったら!!」
ドスン ドスン
上条「う……痛たた……ん?な、何だよ……」
禁書「早く起きるんだよネトウヨ!! 朝ごはんまだなのかな!!」ゲシゲシ
上条「わ、分かった……分かったから……蹴らないでくれ」ムク
禁書「まったくもう! 私が優しく無かったら今頃噛み殺してるとこなんだよ!」
上条「はは……すまないな……」ノソノソ
禁書「ほら、早く朝ごはん作るんだよ!!」ドカッ
上条「うぐっ……はいはい……」
禁書「ハイは一回なんだよ! 舐めてるの!?」
上条「はい……ごめんなさい……」
上条(不幸だ………)
- 2 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:07:01.133 ID:xXxNCqVI0
- ───
上条「ほらインデックス、朝飯だぞ」コト
禁書「………」
上条「ほら、ごはんとパン、両方用意したから好きな方食べろよ。俺は余りでいいから」
禁書「………」
上条「おかずはハムエッグと……野菜スープ、昨日から煮込んでた奴。結構自信作なんだけどな」
禁書「……これだけ?」
上条「え?」
禁書「日本の朝食は一汁三菜って聞いてたんだけどな?何でおかずが一個足りないのかな?」
上条「その……それは……」
禁書「もういいよ。とーまには期待してないし……あ、ごはんとパン、両方もらうからね!」
上条「え……そ、そうすると俺の分が……」
禁書「うえーーーーん!!とーまがっ、とーまがおかず少なくしたせいでご飯が足んないよーーーー!!!!」
上条「ご、ごめん!分かった……俺の分、食べていいから」
禁書「分かればいいんだよ」
- 3 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:07:57.868 ID:xXxNCqVI0
- ───
上条「………」グゥ~ キュルルル……
上条(……腹減ったな……)
青ピ「か~みやぁ~~ん!」
バシッ
上条「うおっ!?」
青ピ「あはは~、そんなんボーッと歩いとったら学校遅れてまうで~?」
上条「ああ……そうだな」
青ピ「どしたん?元気ないやん?」
上条「いや……何でもない」
青ピ「そっかぁ~。もしかしてアレなん?最近お財布の中身が厳しいん?」
上条「はは、それはいつものことだが……」
青ピ「ま、それでも友達料金は値下げせえへんで?」
上条「………」
青ピ「僕、今週分まだもらってへんのやけど?」
- 4 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:09:22.713 ID:xXxNCqVI0
- 上条「俺……だから……それ、別に……」
青ピ「え?なんなん?僕と友達でなくてもええってこと?」
上条「いや……そんな……金で買うような……友達は……いらな」
青ピ「おい」ドゴッ
上条「がふっ……!?」
青ピ「何か勘違いしてへん?」
上条「え、な、何……が……」ヨロ…
青ピ「お前のためを思うてゆーとるんやで?」
上条「……へ……?」
青ピ「だってお前、ボクと友達やなかったらぁ」
ドカッ ゲシッ
上条「ぎゃっ……痛っ……ひ……」
青ピ「ただのサンドバッグのネトウヨやん?」
上条「ごめん、なさい……ごめん……」
- 5 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:10:29.779 ID:xXxNCqVI0
- ───
上条(痛い……それに……お腹空いた……)
グゥ~
上条(ッ/////)
小萌「あれれ~?今お腹が鳴ったのは誰ですかぁ?」
上条「す、すみません……先生」
小萌「あらら、ネトウヨちゃんですか? もう……」
上条「すみません……朝ごはん、食べ損ねて……しまって……」
小萌「ダメですよぉ、ちゃんと朝ご飯食べないと……」
小萌「その糞みたいな頭脳がもーっと悪くなっちゃうんですからね?」
上条「………」
クスクスクス…
小萌「あれ?でもそれ以上悪くなりようがないですかねぇ~?」
\ どっ /
上条「………」
- 6 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:11:00.909 ID:xXxNCqVI0
- 土御門「あはは~、さっきの面白かったぜい!さっすがかみやんだにゃー」
上条「………」
土御門「? どしたんだにゃー?今日はいつにも増して不幸オーラ全開だにゃー」
上条「土御門……俺……」
土御門「……言わなくても分かるにゃー……イジメ最近また酷くなったって?」
上条「……コクリ」
土御門「……かみやん、そろそろ声を上げるべきだにゃー……」
上条「……うん……」
土御門「青ピの奴に、金たかられてるんだにゃー?」
上条「ああ……」
土御門「憎いんだろー?青ピのこと。」
上条「……………」コクリ
土御門「そうか………おーい青ピー!!上条がお前のこと憎いって言ってるにゃー!w」
青ピ「ああん?」ガタッ
上条「………」
- 7 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:11:32.545 ID:xXxNCqVI0
- ───
上条「痛てて……」ヒョコ…ヒョコ…
上条「足……折れてないといいけど……」
上条「……あ……」
美琴「あ……」
上条「……ビリビリか」
美琴「だから……その呼び方やめなさいって言ってるでしょ」
上条「すまないな……その……人の名前って呼び慣れてなくて……」
美琴「……ったく」
上条「すまない……ほんと……ごめん……」
美琴「だぁーからぁ!そんなに謝んなくていいってば!どうしてあんたはそういっつも謝るの!!」
上条「ご、ごめ………あ、」
美琴「……プッ」
上条「…フッ……」
美琴・上条「あはははは」
- 8 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:11:32.815 ID:I/1+lqGA0
- これで何回目?
- 9 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:12:00.963 ID:xXxNCqVI0
- 美琴「っていうか……その歩き方どうしたのよ、ケガでもしたの?」
上条「え?ああ、その……ちょっとな」
美琴「もう……しょうがないわね」スッ
上条「え?え?」
美琴「しっ、仕方なくだからね!?」
上条「いや、その、ほんと、悪いっていうか……別に……」
美琴「いいからっ、黙ってつかまってなさいよ!」
上条「し、しかし……女子中学生に肩を借りる訳には……」
美琴「な、舐めないでよっ!私は第3位の御坂美琴よ!?そこら辺の女の子と一緒にしないで!」
上条「い、いや……しかし体は普通の女の子だろ?大丈夫なのか?」
美琴「甘く見ないでよ……体だってちゃんと鍛えてるんだから」
上条「そ、そうか?」
美琴「もう……」ギュッ
上条「あ……////」
美琴「へ、変なとこ触ったら56すから……」カァァ
- 10 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:12:20.398 ID:xXxNCqVI0
- 美琴「で、あんたの寮まで送ればいいんでしょ?」
上条「……ああっ!しまった!」
美琴「え?」
上条「ス、スーパーの特売っ今日だった!忘れてたっ!」アセッ
美琴「あんた……こんなときにまで……」
上条「ところが上条サンには足のケガより重大な問題なんですよ……」
美琴「分かったわよ……じゃあちょっとスーパーに寄ってから帰るから……」
上条「悪いな……」
────
──
─上条「うお! 卵一パックがこのお値段!? こりゃ来て正解だったな……」
美琴(全然分かんない……)
上条「ほら、ビリビリも一緒にレジ並んでくれ!頼む!」
美琴「分かったわよぉ……」
- 11 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:12:41.292 ID:xXxNCqVI0
- レジのおばちゃん「えーっと、卵一パックにもやし5袋……」ピッピッ
上条「よし、これなら今週乗り切れそうだ!」
レジのおばちゃん「ふふっ毎度ごひいきに。」
美琴「よいしょ」トスッ
レジのおばちゃん「あら?こちらはあんたの彼女かい?」
上条「え?」
美琴「か、彼女って////」ワタワタ
レジのおばちゃん「ふふっ、二人で買い物なんて、仲がよろしいことで」
上条「ははっ、彼女って訳じゃな……」
チクッ
上条「痛てっ!」
美琴「おほほほほ」
レジのおばちゃん「あらあら、ふふふ…」
- 12 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:13:08.302 ID:xXxNCqVI0
- ───
上条「ほんと今日はありがとな。助かったよ」
美琴「ま、まあ……別に、アンタが大変そうだったから……」
上条「ビリビリぐらいだよ……俺に優しくしてくれるの……」
美琴「や、優しくなんか……」
上条「ありがとな」
美琴「ッ!////」
上条「じゃあ……気をつけて帰るんだぞ?」
美琴「うん、まあダッシュで帰れば門限も間に合いそうだし。気にしないで」
上条「……ごめん」
美琴「だぁーからぁー!謝んないでよ!何だか悪いことしてるみたいじゃない!」
上条「ははっ、すま……あ、いや……」
美琴「ふふっ……じゃ、また何かあったらいつでも頼りなさいよ」
上条「……ああ」
美琴「じゃ、おやすみっ♪」ヒラヒラ
- 13 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:13:35.152 ID:xXxNCqVI0
- 上条「おやすみ……」
ガチャ バタン
上条「ただいまー……インデックス、遅くなってごめ……」
ガチャン!
上条「痛たっ!!? さ、皿!?」
禁書「………」
上条「イ、インデックス……」
禁書「………っ」ブンッ!
ガチャン!
上条「ひっ!?」
禁書「遅いんだよ」
上条「ご、ごめん……ちょっと……足、学校で……ケガしちゃって……」
禁書「遅いんだよ!! もうお腹ぺこぺこで死にそうなんだよ!? 足のケガで死ぬの!?とーまは!!」
上条「ごめん、ごめん……すぐ、すぐ作るから、ごめん」
禁書「当然なんだよ」
- 14 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:13:57.261 ID:xXxNCqVI0
- ───
上条「ほら、出来たぞー」
禁書「……これ、何?」
上条「え? もやし炒めと……卵焼き……」
禁書「またもやし炒め~~? もっと他に無いのかな!?」
上条「いや、その、うちの経済状況じゃ……これぐらいしか……」
禁書「もう!!もやし炒めなんて貧乏くさいもの食べ飽きたんだよ!!」
上条「で、でも……うちにはそれしか……」
禁書「もうっ!!役立たずっ!!」ガシャアアァ ガチャン!ガチャン!
上条「あっ……」
上条(もやし炒めがぁぁぁっっ!!)
禁書「せっかくの晩ごはんなのに、最悪の気分なんだよ……全く」
上条「………」
禁書「もういい、外に食べ行くから、とーまはソレ片付けといて」
上条「そ、そんな……」
- 15 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:14:23.875 ID:xXxNCqVI0
- 禁書「何?解消無しのとーまのせいで毎日毎日食べるに困ってる可哀想な女の子に文句でも言うつもり?」
上条「ぐっ……」
禁書「あーあ、どうせならもっとお金持ちの家が良かったなー」
上条「……ごめん……」
禁書「謝るしか能が無いの? もういいや、これ以上とーまの辛気臭い顔拝んでたら食欲も失せちゃうんだよ」
上条「………」
禁書「じゃ、行って来るから」
ガチャ バタン!
上条「………」
上条「………」ヒョイ ポト ヒョイ クチャ……
上条「……グスッ……」モシャモシャ
上条「…………」モグモグ
上条「……もやし炒め……美味しいな……」
上条「………」
- 16 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:14:50.021 ID:xXxNCqVI0
- 上条「あれ?でもインデックス……外食のお金なんてどこから……」
上条「ハッ……」
ドタドタドタ
ガチャガチャ ドタバタ
上条「……無い……」
上条「ちょっと待てよぉ……確かにここに……」
上条「…無くなってる……」
上条「授業料と家賃、全部消えてる……」
上条「あぁあぁあああぁぁぁ………」ガク…
上条「……不幸だ………」
- 17 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:15:17.904 ID:xXxNCqVI0
- ───
小萌「え?」
上条「………」
小萌「授業料の納入を、もうしばらく待って欲しい?」
上条「はい……その、つい……使ってしまって……その……」
小萌「………」
上条「あ、あのっ!絶対!絶対近日中にっ振り込みますからっ! お、お願いします!!」
小萌「……そうですかぁ……」
上条「………」
小萌「上条ちゃん……やっぱり、苦労してるんですね」
上条「先生……」
小萌「……分かりました」
上条「……!!」
小萌「お金の件、何とかしましょう」
上条「あ、ありがとうございます!!」
- 18 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:15:49.590 ID:xXxNCqVI0
- 小萌「上条ちゃんの家が厳しいのは……良く分かってますから」ニコ
上条「先生……」
小萌「私の方から、校長先生にお話ししておきます」
上条「ほ、ほんとですか!」
小萌「ええ、生徒がお金に困るのは……担任として辛いことですから」
上条「小萌先生……」
小萌「えへへ、私に任せてくださいっ!」ドン
上条「あ、ありがとうございますっ!!」
────
ガラララ……パタン
上条「良かったぁ……小萌先生……やっぱり優しいな……」
上条「よしっ!バイト死ぬ気で頑張ろう!!」
────
小萌「あ、校長先生……ちょっと、生徒のことでお話が……」
小萌「経済的な問題で退学を希望している生徒がいるのですが……」ニヤ
- 19 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:16:13.145 ID:xXxNCqVI0
- ───
キーンコーンカーンコーン
上条(昼飯………)
上条(金無いから……自分でおにぎり作って持ってきたけど……)
上条(ちょっと恥ずかしいけど、まあいいか)
上条「………」モシャモシャ
ヒソヒソ……
上条(……海苔巻いてなくても意外とイケるな……)モグモグ
クスクス ヒソヒソ クスクス……
上条(うん、高校生にもなって手作りおむすびだもんな……まあ、注目集めるのはしょうがないさ)
ヒソヒソ プッw クスクス ウワァ… クスクス
上条(早く金貯めないと、小萌先生に悪いもんな)モグモグ
青ピ「かぁ~~みや~~~~ん」ズイッ
上条「……!」
青ピ「いいもん食っとるや~~ん?」ニヤァ
- 20 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:16:38.722 ID:xXxNCqVI0
- 上条「………」
青ピ「なんや~?警戒しとるん? 心外やわ~」
上条「………」タラ…
青ピ「で?かみやん何か美味しそーなもん食っとるやん?」
土御門「それもしかして手作りなのかにゃー?」
青ピ「さっすが上条クン。飯にも金掛けへんのやなー!!」
\ どっ / クスクス キャハハw ハハハ
上条「………」モグ
土御門「あれ?無視?」
青ピ「………」
バシッ
上条「あっ………」
ボト コロコロ…
- 21 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:17:00.892 ID:xXxNCqVI0
- 上条(お、おにぎりが……)スッ
ゴシャァッ
上条「あ、があぁぁ!!?!」
青ピ「……何勝手に拾おうとしてん?」
メリメリメリ……
上条「あ、い、あああぁああ……」
土御門「うひー、手を踏みつけるとは流石青ピだにゃー」
青ピ「まーこんなもん序の口やけど、なっ」グリグリグリ…
上条「ああああがああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!」
ブシュ…ベキ…
青ピ「ひひっ、こんなもんか……」
土御門「自慢の右手が滅茶苦茶だにゃーw」
上条「ぐ……あ……」ズル…ズル…
土御門「しぶといにゃー」 ドガッ
上条「が、ふっ……」バキィッ
- 22 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:17:25.044 ID:xXxNCqVI0
- 吹寄「あんたたち、もう休み時間が終わるわ。ゴミに構うのはその辺にしときなさい」
青ピ「はいよ」
土御門「吹寄には敵わないにゃー」 スタスタ
上条「う、あ……」ボタボタ…
上条(ま、不味い……多分、骨、イッた……しかも……血、止まらねぇ……)ズキズキ…
上条「う、がぁ……ぁ……」ボタ…ボタ…
ガラララッ
小萌「はーい、授業始めますよー」
上条「あ、せ、先生……」
小萌「何ですかー?」
上条「あ、あのっ、その、手、ケガしちゃったんで……保健室行って来てもいいですか?」
小萌「えー?またそう言ってサボる気ですね? 許しませんよ上条ちゃん!」
上条「え? あの、ほら、ケガしてる…でしょ?ホラ……」ボタボタ…
小萌「まーったく上条ちゃんはー油断も隙も無いですねぇw」
上条「………うぅ……」
- 23 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:17:44.513 ID:xQgSmZqY0
- ネトウヨは削板軍覇じゃないのか
- 24 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:17:52.058 ID:xXxNCqVI0
- ───
キーンコーンカーンコーン
上条(やっと……やっと終わった……)
上条「……」フラッ
上条(…やばい、血が足りねぇ……)フラフラ
上条(つーか……)
ボタボタ……
上条(俺の右手……大丈夫なのか?)
上条(尋常じゃない痛みだぞこりゃ……はぁ、はぁ……)
トトッ
上条「や、やっと保健室に着いた……」
ガチャ
上条「あ、あれ?鍵掛かってる……?」
ドンドンドン!
上条「あ、あの、あの、すみません!」
- 25 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:18:26.487 ID:xXxNCqVI0
- 『はい?』
上条「その声は……姫神?」
姫神『……上条クン?』
上条「なあ、頼む……右手がヤバいことになってんだ……鍵、開けてくれないか?」
姫神『………』
上条「なあ、頼むよ」
姫神『……今、先生が不在だから。』
上条「だ、大丈夫!自分で包帯ぐらい巻けるし……」
姫神『駄目だから。帰って。』
上条「た、頼む!! ほんとに……手遅れになりそうなんだ! 痛くて、血も止まらなくて……!」
姫神『帰って!!!』
上条「………」
青ピ『あいさぁ~、どしたんや。早く続きやろうや』
姫神『あ、んっ……そこ……』
上条「…………」
- 26 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:18:49.920 ID:xXxNCqVI0
- ───
上条「はぁ…はぁ……」
上条(不味い……早く……早く何とかしないと……)
上条「! そうだ! カエル先生のとこなら!」
───
冥土返し「やあ、また君か」
上条「先生……その、またケガしちゃって……」
冥土返し「うわぁ、これは酷いねぇ……すぐ手当てしないと、手遅れになっちゃうよ?」
上条「先生、また……お願いします」ペコリ
冥土返し「うん、うん、大丈夫、ちゃんと治してあげるからね」
上条「先生………」パァァ
冥土返し「ちゃんと払うもの払ったらね?」
上条「え………」
- 27 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:19:14.079 ID:xXxNCqVI0
- 冥土返し「今までのツケ、君の働きに免じて見逃してきたけどね?」
上条「………」
冥土返し「もう、結構な額になってるんだよ?」
上条「……はい……」
冥土返し「治療費、入院費、その他諸々の経費、ねぇ、君だけ特別扱いする訳にいかないんだよ?」
上条「はい………」ガタッ
上条「……ありがとう、ございました……」ペコリ
スタスタスタ……
上条(そうだ……今までカエル先生には散々甘えてきたじゃないか……)
上条(感謝しないと……今回のことは、自業自得だ。俺が悪いんだ……)
───
冥土返し(ふむ……このまま行けばあの幻想殺しが消えてしまうかもしれないねぇ)
冥土返し(実に興味深いねぇ……)クックックッ
───
- 28 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:19:55.080 ID:xXxNCqVI0
- ───
上条「………」フラフラ…
上条(目が……かすむ……足が…もつれる……)ヨロヨロ
上条「あ……コンビニだ……」
上条「そ、そうだ……応急処置、ぐらいなら……」フラフラ…
───
ウィーン アリガトウゴザイマシター
上条「よし……包帯と傷薬は買えた……」
上条「すぐ治療しないと……痛ててて……」ズキズキ
上条「うわ……酷いなコレ……」ボタボタ
黒子「あら?」
上条「あ……」
黒子「貴方……こんなとこに座り込んで何してますの?」
上条「あ、これは……」
黒子「……不審者、ですわねぇ」
- 29 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:20:25.586 ID:xXxNCqVI0
- 上条「ち、違うんだ……! その、右手を、ケガして……」
黒子「右手を?」
ボタボタ…グチャァ…
黒子「……汚らしい……」
上条「だ、だから……今はその、治療だけさせてくれないか?」
黒子「もしかして……今、自慢の右手は使えないんですの?」
上条「え?」
黒子「………」
黒子「……」ニヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤァァ
黒子 ヒュンッ
ガシィッ
上条「!?」
黒子「……手錠が……効いてる……」
上条「し、白井?何して……」
黒子「あはははぁぁ!」ヒュンッ ヒュンッ
- 30 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:20:49.337 ID:xXxNCqVI0
- 上条「お、おい!? やめ……」
黒子「今までぇ、散々コケにしてきた罰ですのぉ♪」
上条「お、俺はコケになんて……」
黒子「おだまり」ゲシッ
上条「ごはっ!?」
黒子「この治療セットはわたくしがお預かりしますわねぇ~♪」ガシャ
上条「な……」
黒子「あなたは………」ピト
上条「え?」
ヒュンッ
上条「!?」
上条「ど、どこだここ……」
上条「って動けねぇ……!?」ジタジタ
───
黒子「一般人立ち入り禁止のエリアで……好きなだけ転がってなさいまし……」クスクス
- 31 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:21:13.817 ID:xXxNCqVI0
- 上条「はぁ……はぁ……何だよここ……」
上条「見たことねぇぞ……」
上条「アレか?都市開発の未着工エリアか……? くそぉ……」
上条「はぁ……もう……駄目だ……」
上条「右手は……使い物にならねぇし……血ぃ止まんねぇし……」
上条「手錠で拘束されて動けねぇし……こんな場所に来る人間もいない……」
上条「はぁ……」
上条「ははっ………」
上条「………」
───
- 32 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:21:51.805 ID:xXxNCqVI0
- ポタッ
ポタッ
ポツ…ポツ…
ポツ…ポツ……ポツ……ポツ……
ザァァァァァァァァァ
────
──
─ザアアァァァァァ
ザアアァァァァァァ
ザアァァァァァァ上条「…………」
上条「…………」
上条「…………」
上条(………死ぬのか、俺は)
- 33 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:22:03.846 ID:kl29kDlf0
- ぶりぶり
- 34 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:22:12.595 ID:xXxNCqVI0
- ザアァァァァァァァァァァァァ
上条(死ぬよな、確実に)
ザァァァァァァァ
上条(……不幸な人生だったな)
ザァァァァァァァ
上条(次、生まれ変わるなら……もうちょっと幸福な人生がいいな……)
ザァァァァァァァ
上条(…………)
ザアアァァァァァァァァァ
上条(…………)
ザアァァァァァァァァァ
上条(……死にたくねぇな……)
ザァァァアァァァァァ
上条(…………)
ザアァァァァァァ
- 35 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:22:40.358 ID:xXxNCqVI0
- 上条(………)
ザァァァァァァ
上条「…………ぁ」
ザァァァァァアァアァァァ
上条「ああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!!!」
上条「ああああああぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!!」
上条「死にたくねえええええええぇぇぇぇええええぇぇぇぇ!!!!!」
上条「えぇぇぇ………」
上条「はぁ……はぁ……」
上条「…………」
上条「………」
上条「……」
上条(……眠くなって…きた……)
上条(………)
- 36 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:23:10.586 ID:xXxNCqVI0
- 「確かこっちから声が……」パシャパシャ
上条「………?」
「ひっ、人が倒れてるっ!?」
上条(幻覚……か? いや……それにしては……)
初春「大丈夫ですか!?」バシャッ
上条「……本物……?」
初春「……酷いケガ……す、すぐ何とかしますからねっ!」ワタワタ
ガチャガチャ
上条「き……みは……?」
初春「ジャッジメントの初春飾利です!! 今日は…たまたま禁止エリアのパトロールに……」
上条「……良かっ……た……」ガクッ
初春「!! しっかりしてください!」
- 37 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2020/06/13(土) 16:23:32.952 ID:xXxNCqVI0
- ───
黒子「……で、」
初春「………」
黒子「すぐに近くの支部に、その男を運び込んで治療した、と」
初春「はい……」
バン!!
初春「ひっ……」ビクッ
黒子「初春、あの男に近づいてはなりませんわ」
初春「え、あの、あの、やっぱり……あの手錠って……」チラ
黒子「初春!!」
初春「っ……」ビクゥ!
黒子「……あの男の肩を持つなら……この学園都市には居られませんわよ?」ジロォ
初春「は、はい………」
黒子「ま、分かればよろしいのですのよ♪」ニコッ
初春(………)
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