盲目剣豪(♀)「ん…………懐かしい顔だね…。」

盲剣「しばらく見ないあいだに、まだ一段と逞しくなったようだね。フフフ、重畳重畳……喜ばしいことだ。」

盲剣「ま……立ち話もなんだ。こんな狭い屋敷ですまないが、どうぞお上がりよ。」

盲剣「……すまないね、茶も出さなくて。私を尋ねてくる物好きなどいないから、気が利かなくて…。」

盲剣「うん？…………ああ……。」

盲剣「光を失ったとしても、日常生活くらいどうにかなるものさ。なにせ屋敷のなかにしかいないからね……敷地にあるものくらいは把握しているよ。」

盲剣「…………。」

盲剣「……キミが気に病む必要なんてないんだよ。これは、ただ私が弱かったから……だからその代償を払ったというだけのこと。キミはなにも悪いことはしていない。」

盲剣「弱者は食われるこの世界で、命だけでも助かったんだ。むしろ私は幸運だよ。そうだろう？」

盲剣「それにね……こうなってから、手に入れたものだってある。」

盲剣「私は今まで、視覚に依存して生きてきたんだ…。目に視えるものだけが真実だと、そう信じてやまなかった…。」

盲剣「でもね……一度目に頼らなくなると、色んなものに気づくんだ。それは、風の流れる音だったり、小鳥のさえずりだったり……あるいは、雨の降る予感だったり…。」

盲剣「五感のうちひとつを失ったことで、残りの感覚が大きく発達した。……いや、むしろ……新たな感覚を得た、と言ってもいいかもしれない。」

盲剣「…………ねえ、○○くん。手合わせしようか。」

盲剣「ははは、なぁに。あの時は確かに遅れを取ったが、今はもう少しやれるつもりだよ。」

盲剣「むしろ……強くなっている。あの頃よりも、私は、ずっと。」

盲剣「今の私なら、キミを退屈させずに済むと思うんだが……どうかな？」

盲剣「…………フフフ……そうこなくっちゃ。やっぱりキミは、面白い子だね。」

盲剣「フフ……だってキミは、こんなに温かい…。」

盲剣「…………顔、赤くなっているよ？フフフッ…。」

とかそういうアレ

盲剣「…………フフフッ……。」

盲剣「……たくさん、花が咲いたんだね。元気があってとてもいいと思うよ。」

いたずらっぽく笑うんだ