土井善晴「朝飯に赤福と味噌汁。こういうのでいいんだよ」アホ「健康に悪そう」

情報を受け取って、流行りのレストランに人が押し寄せることも、自分で作らないで安くて人気の加工食品を利用することも、それはみんな同じものを食べたがっていることになるわけですから、単純化ですね。だからタピオカのお店だらけになったでしょう。

実際に、スーパーで売られている生鮮食品も幅が狭くなっています。好まれるものを絞り込んで大量に生産して、流通しやすいものばかりになっているということです。

それに乗じてメディアは、視聴者、読者が集まるところに網をかけようとします。だから情報に乗るレシピだって特別な食材を使うよりも、だれもが使える食材を使ったレシピを紹介した方が、数という結果はえられますね。内容はともかく視聴率、販売数というような数字というわかりやすいものしか取り扱いたくないのです。

多様性は、差異を面白がるもの、違いを発見してよろこぶことです。それはすべての人間を求めることです。オリジナリティ、個性、独創性、創造なんてことは、多様性を単純化した社会には育まれないんです。