竹中平蔵「金持ちから税金をとって、働いてない人に分配ってズルいですよ。タカリみたいなもの」

竹中　再分配効果というのは、たとえばこういうことです。佐藤さんはすごく所得が多いとする。こちらのＡさんは所得が少ない。
そうすると、Ａさんは佐藤さんからお金を分けてもらいたいわけです。佐藤さんが儲けたお金の一部を自分ももらいたいんですよ。もらいたいときに、政府を通してもらうんですよ。

佐藤　でも、それ、もらいたいって、ずるいじゃないですか。

竹中　ずるいですよ、すごく。『フェアプレーの経済学』という本にもはっきりと書かれているんです。

子供たちが砂場で遊んでいるんです。ある子はオモチャをたくさんもっている。
その子はお金持ちの家の子なんですよ。もう一人の子は家が貧しいからオモチャを一個しかもってないんです。
しかし、だからといって、自分の子に向かって「○○ちゃん、あの子はオモチャたくさんもっているからとってきなさい…」などと言う親がいるかというわけです。

一方に対しては、いくら働いても税金をとられるということでやる気をなくさせる。
もう一方に対しては、そんなに働かなくても食べていけるということで、まじめにやる気をなくさせると。
だから、政府がお金を税金としてとって、その所得を再分配するような社会の機能が大きくなりすぎると、その国はダメになると。それはまったくその通りですよね。
集団的なたかりみたいなものが所得再分配という名のもとに、税にまとわりついて生まれてくるわけです。

竹中平蔵著『経済ってそういうことだったのか会議』より抜粋

「なんで俺らのテクノロジーの発展を、わけのわからん奴らに阻害されなきゃいけない？」
こういう思想が蔓延している、インテレクチュアルダークウェブという集まりすら生まれた

貧乏人にお金を還流させて消費を促すよりもGAFAに投資させたほうが経済効率が良くなった
フォードやクライスラーとシリコンバレーでは生み出す付加価値と技術進歩が違いすぎたのだ
フォードやクライスラーに資本を集中させて生み出す収益よりも、貧乏で無学な人にパンを与えコーラを飲ませたほうがかつて国は富んだ
けどシリコンバレーに資本を集中させたて生み出される収益やすさまじい先端技術は、無学な人の消費より遥かに国を、いや世界を富ませる
最大多数の最大幸福を追求するために貧乏人に再分配をしてたのに
最大多数の最大幸福を追求したら貧乏人を見捨てるほうが良くなった

だから格差はえげつないほどに広まった
なぜなら今の格差が経済的にも幸福論的にも「正しい」から
間違っているならとっくに是正されている

迷惑なわけ

竹中平蔵はこれについてもう少し考えるべきだと思う

今、資本主義の世界で格差が「正しく」なった
別に人の心が変わったのではない
強烈な収益と技術革新をもたらすＩＴ企業の台頭で、そっちのほうが経済効率が良くなってしまったのだ

まずこの「違い」を認識しないといかん
これはアメリカや中国だけの話じゃないからな
何故ならＧＡＦＡの株は誰にも買えてしまう
日本もヨーロッパも、アジアもアフリカも、みんなＧＡＦＡに金預ける世界になっている

裕福やん

これは稼ぐ意欲なくなるわ

しかし　21世紀現在、明らかに時代が竹中のほうに追いついている
格差を是正しようとするのが愚かで、優れたIT企業だけに金を集中させ、技術を進歩させたほうが正しいという
しかもそこに国籍も何もなく、ドルも円もユーロも元もウォンも、あらゆる通貨がIT企業の株や社債に変換されていく

ある種狂気的なパラダイムシフトが現実になってきている
だから格差は深刻化している

今でもこれは有効だ。
だが日本はマイナス０．１％、欧州に至ってはマイナス０．４％まで金利は下がったのに
大して景気は良くなっていない。金融危機以降の最悪の状態を脱したというだけだ。
一方でアメリカや中国は強烈な格差の中、日欧よりも高金利なのに成長している

何故か？IT企業がひたすら引っ張っているからだ　かつてほど利下げ効果が出ないのもこれが原因だ
そしてIT企業城下町のサンフランシスコでは年収1400万が貧困層扱いの世界が広がり
他方では米国人の半数が年収300万にも満たないという絶望的な格差がその裏にある