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https://digital.asahi.com/articles/ASP4Q2RB5P4LUHBI009.html

ウォッカよりサマゴンだ　かつての密造酒、大人の趣味に

新型コロナウイルスの流行による外出規制で、ロシアで自家製ウォッカとも呼ばれる「サマゴン」（ロシア語でサマ=自分で、ゴン=蒸留）造りが盛んになっているという。コロナ禍で収入が減った市民が手製の酒で憂さ晴らしとは、なんと根深い社会問題か――と思ったらどうもそうじゃないらしい。現代のサマゴンは、いまや豊かな大人の趣味に発展しているのだという。
取材のきっかけは、外出規制の強化でサマゴン造りに使う道具の売り上げが急増したという新聞記事だった。大手経済紙RBCによると、ロシアの大手通販サイト「OZON」では昨年1～10月、蒸留器などの売り上げが前年同期の13倍に急増。別のサイトでも、酵母やアルコール度数計の売り上げが急激に伸び、新たにサマゴンを造る人が押し寄せているという。
しかも、ウォッカを買えない市民が代替手段として密造していた時代と違い、最近は中所得層以上が熱中しているというのだ。
実は約20年前、記者はシベリアの田舎の村で、友人の父親に自家製のサマゴンを振る舞われたことがある。周りからはやし立てられ一気に飲み干したが、薬品のような臭いと強烈な苦みは飲めた物ではなかった。どうしたらあれが大人の趣味になるんだろうか。
素材の味や香り、追求に魅了
「昔はやむにやまれずつくっていたし、正しい方法も知られていなかった。君が飲んだのもそういうものだろうね」
モスクワ郊外のダーチャ（ロシア風別荘）でサマゴンを造りながら、「アズブカ・ビノクル」の名前でユーチューバーとしても活動するパーベルさん（49）は私の話を聞くと、そう解説してくれた。
サマゴンは「自家製ウォッカ」と訳されるが、実際は焼酎に近い。純アルコールから造るウォッカと違い、素材の味や香りが残っているのが特徴だからだ。いま、その風味の追求に魅了される人が増えているのだという。
「今はウォッカが簡単に手に入るし、酔うだけのためにつくる人はほとんどいない。自分の周りでも、つくり始める人は確かに増えているけど、酔っ払いは一人もいない」
パーベルさんによると、一般的なサマゴン造りには砂糖を使うが、麦やソバ、ブドウなど酒の原料になるものなら何でもいい。今回はウイスキーの仕込みに使うためライ麦を使ったという。砕いたライ麦にお湯を加えてでんぷん質を糖化させ、酵母を加えて3日間発酵させる。
できあがったもろみの蒸留工程を見せてもらった。コンロに置かれた銅製の蒸留器に約9リットルのもろみを入れ、じわじわと加熱する。待つこと約1時間。蒸留器につないだチューブから、ぽたぽたと透明のしずくが出てきた。ハイライトはここからだ。
もろみの蒸発が進むとともに、蒸気に含まれる成分も刻々と変化する。パーベルさんはしずくを数分おきにグラスにとり、色や香りを確かめる。
「ほこり、タールの香り。少しプルーン（の香り）も感じる」。筋の通った鼻をグラスに寄せ、目を閉じて感覚を研ぎ澄ます姿は職人そのものだ。
蒸留工程の初めと終わりは不純物や雑味が多いため、味や香り、アルコール濃度などを確認しながら中間部分だけを集めていく。約3時間後、約3リットルのやや白濁した液体がたまった。パーベルさんによると、かつてはこれで終わりだったが、今は雑味や不純物をさらに取り除くため、2回蒸留するのが一般的だという。
作業を始めて約6時間後、最終的に400ミリリットル、アルコール度数約58%のサマゴンが出来た。リンゴやプルーンをかすかに思い起こさせる香りと、ほんのりとした甘みや苦みが複雑に絡み合う「酒」になっていた。
発酵や蒸留の温度や時間、素材と酵母の組み合わせ……。出来を左右する要素は多岐にわたる。「化学、物理、生物の知識と経験が求められるし、時間もかかる。飲みたいだけのやつにはつとまらないよ」
父はミルク缶を蒸留器に
家で飲むのを目的としたサマゴン造りが合法化されたのは2002年だが、人々は帝政ロシアの時代から造り続けてきた。
ウォッカが容易に買えるようになったソ連時代に一時衰退した。だが、国民のアルコール問題に手を焼いたゴルバチョフ政権が1985年、ウォッカの値段を2倍に引き上げ、販売時間も制限する厳しい禁酒キャンペーンを始めると、再び盛んになった。
ウォッカを求めるのは、なにも酒飲みだけではない。ロシアでは冠婚葬祭などに欠かせない生活必需品でもある。
規制で酒店に長蛇の列ができ、カネがあってもウォッカが買えなくなると、市民は代替品を求めてサマゴンを造るようになった。パーベルさんの父もそんな一人で、ミルク缶で蒸留器を作ったという。

俺の好みだとこんな感じ

おしえて
作ってみたい

じゃあストゼロでいいじゃん

カナダ系はあんま知名度なくて値崩れしてることあるからおすすめ
って書こうとして検索してみたら値上がりというか
安売り品がなくなってる？