- 1 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:19:06.062 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 文章おかしいところがあったら修正するので教えてね
- 2 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:19:28.380 ID:rTuy3OYAMNIKU
- ゆんやぁ!
- 3 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:19:31.435 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 男なら一部を除いて誰しも『ハゲ』の恐怖に慄くものだ。若いうちはどうにかなるさとおどけてみせるが、年を取るにつれていかにハゲ治療が大きな市場かに気がつき、いつの間にかその市場に足を絡め取られているのだ。
ここに1匹のゆっくりれいむがいる。よく手入れがなされた美しいリボンにはキラキラとした金バッチが輝いている。多少加齢はしているが肌はスベスベモチモチとして健康的だ。どこをとっても非の打ちどころがない美ゆっくりだ。ある一点を除いては…
- 4 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:20:01.087 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 「おにいさん!!れいむのかつらさんはどこなのおお!?ちゃんとよういできてないなんてむのうすぎるよ!!れいむにはげのままでおそとにいけっていうのおおおお!?」
れいむはハゲていた。頭頂部周辺の髪は綺麗に抜け落ち、側頭部と前髪の一部分しか残っていない。整った目鼻立ちやリボンがハゲのみすぼらしさを強調させている。
- 5 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:20:39.433 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- このれいむと飼い主は5年前にゆっくりショップで出会った。飼い主は初めてのゆっくり飼育だったので、なるべく初期投資は少ない様に1個200円の激安ゆっくりから飼うことにした。当然超ゲスか足りないゆっくりが99.99%のガシャポンゆっくりを飼うのは悪手だったが、飼い主は強運の持ち主だった。
れいむはとても賢いゆっくりだった。飼い主が教えたところ、ひらがな50音を正確に記憶して使いこなせたし、2桁までの足し算引き算と3の段までのかけ算を難なく解くなど、ゆん知を超えた天才饅頭だった。メディアはれいむを持て囃した。飼い主もまたゆっくり教育家として有名になり、ゆっくり飼育ブームに合わさって本が売れたり講演会が人気を博してお金持ちになった。
- 6 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:20:50.794 ID:rTuy3OYAMNIKU
- 落武者ハゲれいむ想像してワロタ
- 7 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:20:57.278 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- れいむは優しい飼い主が大好きだった。教えたことを覚えると褒めてくれるし、ご褒美に食べるオレンジゼリーが大好きだった。飼い主もれいむのことが大好きだった。
しかし、有名になるにつれ二人(?)の心の距離は離れていった。
- 8 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:21:16.655 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- れいむは鏡を見ながらぷきゅーとまではいかないがぷりぷりと怒ってイラついていた。
「はやくれいむのからだをきれいにしてかつらさんをよういしてね!!れいむをわらいものにしたいの!?」
- 9 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:21:47.743 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 最近れいむのハゲが更に進行しており、遂に前髪すら抜け始めている。ハゲてからというもののれいむは確実に短気になったし飼い主に対して口答えをすることが多くなった。飼い主はそこが気に入らなかった。
「ゆううううっ!!はやくしてね!むのうなおにいさんはきらいだよっ!!」
- 10 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:22:10.029 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 飼い主はれいむの偉そうな言動にイラつきつつ、ゆうゆうと喚くれいむの体を掴みクルクル回して拭いて、リボンを軽くドライヤーで温めて綺麗に伸ばす。そして、ハゲ頭に水飴を塗り特注のカツラを被せた。
今日は日曜日だったが飼い主は講演会の資料をまとめるのに時間がかかりすぎてしまい、正午までに作業を終えるはずだったのだが2時間も長引いてしまった。焦ったのか水飴を少し多めに塗ってしまった。
- 11 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:22:30.856 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- “しゃこうかい”とは、これから公園で行われるゆっくりの社交クラブ(ゆっくりの癖に洒落た言い回しである)のことだ。
れいむと飼い主は“しゃこうかい”の人気者だ。れいむは周りのゆっくりから天才と呼ばれるのが好きだし、飼い主も他の飼い主やブリーダーから羨望の眼差しを受けておりとても鼻が高かった。
- 12 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:22:57.450 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- その公園はタワーマンションから車で10分ほど行った桃花台という住宅地の端っこにある。山際にある広い公園だ。そこには野良ゆっくりたちが人間との“きょうてい”、“じょうやく”を守って園内の掃除をしたり、害虫の駆除をしたりして生きている。ゆっくりは群れを好む生き物なので、野良といえどもゆっくりが沢山住んでいるこの公園は“しゃこうかい”の定番スポットなのだ。
時刻は午後3時前。先に着いた飼い主たちがベンチに腰を据えて雑談をしていた。ゆっくりたちはその周りで遊んでいる。ハゲのれいむたちも遅れて合流した。
- 13 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:23:23.352 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 「あられいむおそかったじゃないの」
「まってたんだぜれいむ!」
「しゅやくはおくれてくるんだよねーわかるよー」
「むっきゅん!てんさいにしてはおそいわよっ」
「ちーんぽ!ちーんぽ!」銀バッチのありすは待たされたので少しムッとしている。金バッチのまりさはれいむの一番のなかよしで“しゃこうかい”の中でれいむにつぐ賢さだ。ちぇんは銅バッチの新入りでキョロ充に徹している。ぱちゅりーはれいむより先に金バッチを取得しておりとてつも無いライバル意識を持っている(金バッチに関しては単にぱちゅりーのほうが生まれるのも試験を受けさせるのも早かっただけだが)。他にも色々いるが割愛。
- 14 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:23:45.878 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- ゆっくりと同じく飼い主同士でも挨拶が始まった。主婦が多く当然のようにマウント合戦が始まっていたがそれも割愛する。
「ゆぅ~ん!れいむはきょうももびゆんなのぜ!」
「ゆふふ、ありがとうまりさ!」
「てんさいだねーわかるよー」
「もうっ!ちぇんはいいすぎだよぉ~」 - 15 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:24:18.509 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 「「「てんさい!てんさい!てんさい!てんさい!」」」
いつものようにれいむ賛美が始まった。他でもなく自分の確たる実績と才能によってヒエラルキー最上位に立つという至福は計り知れない快感だ。れいむはハゲのことを忘れてまるで最高級のオレンジジュースに酔うような気分でいた。
- 16 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:24:40.026 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 「ねえれいむ、なんだかあついとおもわない?」
ぱちゅりーが声を発した。今は春先に比べて少し蒸し暑い。確かにゆっくりは暑さ寒さ両方にたいして敏感だが、言うほどの蒸し暑さでもなかった。
- 17 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:25:07.111 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 「そんなにあつくないとおもうのらけろ」
「わからないよー」れいむは不思議そうに答えた。
「ぱちゅりー、なんでっ…」
れいむの言葉が途切れた。れいむは目に違和感を覚えてパシパシと瞬きした。もみあげで目を擦るとヌルヌルとした液状の何かで髪が濡れた。水飴だ。
- 18 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:25:27.931 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 「そういえばれいむ、すっごくあせかいてるのぜ!」
「ねっちゅーしょーさんみょん?」
「れいむどうしたんだぜ?」飼い主が水飴を塗りすぎたのだ。ゆっくりの持つ体温と蒸し暑い熱気が水飴を溶かし始めていたのだ。
- 19 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:25:48.894 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- れいむは焦った。このままカツラがずり落ちてハゲがバレでもしたら自分は“しゃこうかい”での権威を失ってしまうと思ったからだ。
「ゆっ…ゆふぅ~!たたっ…たしかにちょっとあついとおもってたんだよ!お…おおにいさんにおみずもらいにいこうっとぉ~」
- 20 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:26:14.915 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 引き攣った様な話し方のれいむはゆっくりとカツラがずり落ちないように進んだ。既に水飴の大部分は溶けていて、カツラが微妙にずれて摩擦する感覚が頭皮を撫でていた。バランスを崩せば簡単にカツラは取れてしまう。焦るれいむのあんこは急速に饅頭の中を循環している。
ぱちゅりーはニヤリと笑った。このぱちゅりーはれいむに比べて頭は良くないものの洞察力や直感に優れており、ずっと前かられいむのカツラに気がついていたのだ。
- 21 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:26:39.533 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 常にそのことを暴露するタイミングを窺っていたぱちゅりーは遂に王手を打った。
「みて!おそらからあまあまがふってきたわ!」
「「「「ゆ!」」」」
ゆっくりたちは一斉に上を向いた。
- 22 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:26:40.757 ID:F+Z4Pesm0NIKU
- いいね
- 23 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:27:03.020 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- “あまあま”という究極の甘言を聞いて反応しないゆっくりはいない。これは本能のようなもので抗えないのだ。
れいむもうっかり空を見上げてしまった。
「あ…あああ…」
特注のカツラがぬるりとズレてべチャリと落ちた。
- 24 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:27:21.018 ID:/cCZdBIV0NIKU
- 読んでます。良き
- 25 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:27:38.596 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 終わった。
ゆっくりたちから悲鳴にも似た笑い声が上がった。
- 26 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:28:05.471 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 「「「「ゆああああああああああああああああああああ!!!」」」
「れっれっれれいむがあああ!ゆひゃひゃひゃひゃ!!」
「はげなんだねーーわかるよー!!」
「とっとかいはじゃないわああゆひひひ!!!」
「むっきゃっきゃっきゃっきゃ!!!はげれいむ!はげれいむ!」
「ゆああああ!!れいむのかつらさんがじめんをねりあるいている!!」
「「「「はげれーいむ!!!はげれーいむ!!!はげれーいむ!!!」」」」 - 27 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:28:38.102 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 飼い主も何事かとゆっくりの方を見たが、ハゲれいむの惨めなハゲ頭を見て察したのか何も言わなかった。
360度の嘲笑を受けてれいむは心の中の何かが壊れた気がした。自分よりバカでゲスな有象無象のゆっくりたちの嘲笑に対して言い返す気力もなく、ハゲれいむは駐車場に走り去った。飼い主も慌てて走り去った。
- 28 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:28:55.907 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 金バッチのまりさはハゲれいむに同情して決して笑うことはなかったが、周りの反応が怖かったので特にれいむへの嘲笑を止めるようなことは何も言わなかった。
- 29 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:29:41.715 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 家に帰ってからのれいむは台風の様に怒り、激流の如く罵詈雑言を飼い主に浴びせた。
「ゆっっっがあああああああああああ!!!&おにいさんがれいむのあたまをだいじにおもってないからこうなったんだよ!あたまからみずあめさんがたれてきたよ!あのばかげすあほたりないゆっくりどもにれいむのはげがばれちゃったんだよおおおお!おにいさんがてきとうなことしたからこうなったんだよおおお!!!おにいさんのはげ!どうていぺにぺにだいとうりょう!!」
- 30 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:30:16.607 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- 『いやあ、別にハゲくらいどうってことないぞ。そりゃゆっくりにしては珍しいけど、ハゲなら他にいっぱいいるだろ。女だってハゲる時はハゲるしな。それに勝手に公園から逃げ出したりして俺は恥ずかしかったんだが』
飼い主は若く髪の毛はフサフサだった。
「むのうなぐそじじいのぐぜにがいぬじをぎどるなあああ!!!あほあほあほあほあほ!!むのう!!ゆがあああああああああ!!!!じねっ!じねっ!じねっ!じねっ!」
- 31 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:30:37.911 ID:zJ6BPz+P0NIKU
- 頭オカピ
- 32 名前:ひみつの名無しさん 投稿日時:2022/04/29(金) 21:30:42.532 ID:xPwQ/QOoMNIKU
- れいむは飼い主の脛に精一杯の恨みを込めた体当たりを繰り返した。
『ゴチャゴチャうるせェんだよッえーっ!!??』
遂に飼い主の堪忍袋の尾が切れた。
ドゴオッ
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