肛門に酒入れると少量で酔えてコスパ最高ってマジ？　試そうと思うのだが

https://medical-tribune.co.jp/news/2019/0704520674/index.html

直腸に入った異物が抜けない

経肛門的直腸異物は、ほとんどが性的嗜好などの原因で肛門から異物を挿入し、抜去困難となったもの。富山市民病院外科の庄司泰弘氏は、同院で経験した直腸異物の2症例を第55回日本腹部救急医学会（3月7～8日）で報告。「直腸異物の形態は多彩なため、摘出には症例ごとに工夫が必要となる」と述べた。

異物が骨盤に固定され、最終的に直腸を切開
　直腸異物は、国内での報告は多くないものの、日常診療でまれに遭遇することがある。原因としては、医療行為に伴うものを除けば、ほとんどが性的嗜好によるものである。現在の社会的風潮もあり、増加傾向にあるといわれている。庄司氏は、同院における直腸異物症例を2例紹介した。

　1例目は41歳男性で、ラムネの瓶（高さ20cm、径5cm）を飲み口の方から自分で肛門に挿入し、瓶全体が肛門内にはまり込んで抜けなくなったため、同院の救急外来を受診した。同症例はBMI 34.4と肥満であったが既往歴は特になく
腹部に圧痛や腹膜刺激症状は認められなかった。腹部単純X線で異物を確認し、腹部CTで腹腔内遊離ガス像や腹水貯留がないことを確認した。3DCTでは異物が骨盤にがっちりと固定されていることが認められた
　この症例は、救急外来において異物を経肛門的に取り出すことができず、手術室において腰椎麻酔下で摘出を試みたが不成功。児頭吸引器での牽引も不成功だったという。
さらに、全身麻酔下で開腹手術を行い、片手を腹腔内に入れて経肛門的に摘出を試みたが、それも不成功であった。同氏は「最終的に、直腸を切開して異物を摘出した。術後の合併症もなく、13日目に退院した」と説明した。

腹部圧迫および経肛門的操作で摘出
　2例目は77歳の男性で、1週間前にごま油の瓶（高さ17cm、径7cm）を注ぎ口の方から自分で肛門に挿入し、はまり込んで抜けなくなったという。排ガス、排便がなく食事摂取困難となり
同院の救急外来を受診した。この症例も、外来で異物を経肛門的に取り出すことができず、全身麻酔下で処置するという治療方針となった。同症例はBMI 23.6と通常体型で腹部に圧痛や腹膜刺激症状は認められなかった。

　1例目と同様に腹部単純X線で異物を確認し、腹部CTで腹腔内遊離ガス像や腹水貯留がないことを確認した。1週間排ガス、排便がないということであったが、明らかなイレウス所見は認められなかったという。3DCTによって骨盤と異物の位置関係を把握したところ、1例目とは異なりわずかに瓶の可動性が認められた
　庄司氏は「1例目の経験があったため、2例目は最初から全身麻酔下で摘出を行った。腹部圧迫および経肛門的操作で瓶を摘出することができた」と述べた。摘出後、経肛門的に内視鏡で確認すると
瓶の先端部と肩の部分に当たっていた腸管の粘膜にはびらん、潰瘍形成が認められたが、摘出操作による血腫の形成や穿孔は認められなかった。入院中の合併症もなく、処置後4日目に退院となった。

男性、自慰行為、瓶が多い
　直腸異物は予想以上に抜去が困難である。以前の研究では、その原因として①直径の大きな異物を無理に挿入すると局所に浮腫が生じ強く締められ括約筋の痙攣を起こす②異物が長い場合
直腸の走行から仙骨全面と肛門管とで異物が固定される③異物の牽引により口側腸管内圧が陰圧になる④異物の形状、材料などにより血液、粘液のためすべりやすく把持牽引が困難−とされている

　庄司氏は「実際、長い異物が挿入されると骨盤内で異物が横に寝てしまう。1例目は異物の可動性が全くなかったが、2例目のように可動性がある場合には、角度を肛門管に合わせることで、経肛門的に抜去できる可能性がある。体位は砕石位が一般的である」と述べた。

　わが国における直腸異物の報告例は、1983～2009年10月の報告が140例、2009年11月以降の検索可能例が34例の合計174例である。ほとんどが男性で〔男女比165：9、平均年齢47.0歳（13～86歳）〕
発症契機は多くが自慰行為による自己挿入であった。異物は瓶・ボトルが最も多く、次いで性的玩具、プラスチック容器などで、筆記用具など鋭的なものも含まれていた。多くは経肛門的に摘出可能だが、約20％は手術が必要であった。

　同氏は「直腸異物の形態、性状は多彩であり、摘出するには症例ごとにさまざまな工夫が必要となる。過去に多数の多様な摘出方法が報告されており、多くの手段を知ることが重要であると考えられた」とまとめた。

嘘です