セックスしたり結婚したい女子アナ　僕は宮司 愛海

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「女子アナ広報室」が企業ＰＲ　社長の代弁という新事業

テレビ局勤務の経験がある女性アナウンサーが自社を取材し、プレスリリースを書いてくれる――。そんな中小企業向けのサービスを東京のベンチャーが始めた。会社を立ち上げたのは、元中京テレビアナウンサーの樋田（といだ）かおりさん（３４）。どんな需要があるのか。

ＰＲ下手の社長を見て……
　サービス名はそのものずばり「女子アナ広報室」。女性アナウンサーが中小企業の社長に取り組みを取材し、報道用資料をつくる。その資料を使って、テレビ局や新聞社に取り上げてもらうよう戦略的に売り込む。

　樋田代表は岐阜市出身。名古屋の私立大を卒業後、青森放送に入社してアナウンサーになった。その後、地元に近い中京テレビ（名古屋市）に移り、ニュース番組などに出演した。

　フリーアナウンサーにあこがれて２８歳で独立したが、競争は激しかった。「仕事がないなら自分でつくるしかない」。クラウドファンディングで資金を募り、２０１５年に「話し方教室」の会社「トークナビ」を設立した。

　いまはＮＨＫや民放出身の女性アナウンサーら約５０人が所属し、東京を中心に企業向けの研修やイベントの司会をする。今年８月、新事業として女子アナ広報室を始めた。

　なぜ企業のＰＲに？　きっかけは、アナウンサーとして、有名タレントと中小企業の社長が対談する番組のアシスタントを務めたことだったという。「控室ではよくしゃべっていた社長が、本番になると汗だくになり、言いたいことを言えずに帰っていく。そんな光景を見て、うまくＰＲできないのはもったいない、何とかしてあげたいと思ったんです」

　プレスリリースの作成代行サービスはほかにもあるが、女子アナ広報室の売りは、テレビ局の取材現場を経験したアナウンサーが、テレビで取り上げられやすい切り口で仕上げることだ。

　顧客企業との契約は月４０万円の年間契約。月１回、社長に取材し、プレスリリースを出す。当初目標としていた顧客２０社を達成し、さらに拡大をめざすという。

「潜在アナウンサー」活用へ
　日本パブリックリレーションズ協会（東京）の調査によると、１８年度のＰＲ業界の市場規模は１２９０億円（推計）。２年前の前回調査から２７％増えた。企業の間にも自社のアピールは大事だという考えが広がっているようだ。

　就職活動で学生優位の「売り手市場」が続くなか、中小企業にとって、知名度向上は採用面でも課題になっている。

　一方、企業広報という新しい市場ができることはアナウンサー側にも利点がある。「高倍率をくぐり抜けてアナウンサーになっても、結婚や出産でキャリアが切れてしまう現状がある」（樋田代表）からだ。経験があるのに仕事を離れている「潜在アナウンサー」（トークナビ）の活用につなげる構えだ。

社長の代弁者に
　女子アナ広報室の担当者のひとり、浅井美幸さん（３５）は元岐阜放送アナウンサー。２人の子どもを育てながら、イベントの司会や講師をする。１２月上旬、注文住宅を手がける楓工務店（奈良市）の田尻忠義社長（５０）にテレビ会議で取材した。

　浅井「『離職率ゼロ』をどう達成しているんですか」

　田尻「選考段階で、うちの会社が何のためにあり、学生さんが何のためにどんな仕事に取り組むのかを、きちんと確認しあっています」

　浅井さんは田尻社長に、新入社員のサポート制度などについても尋ねた。

　浅井「『働きがい』を切り口にしたらどうでしょうか」

　田尻「むちゃくちゃええんちゃう」

　この日の取材をもとに作成された楓工務店のプレスリリースには、「２０２０年の流行語は『働きがい改革』！？」「進化系働き方改革で『新卒離職率０％』を達成中！！」といったフレーズが並んだ。

　田尻社長は「テレビに出ることで、お客さま満足度と社員満足度を上げたい」。浅井さんはプレスリリースをもとに、関西のテレビ局などに電話やファクスで売り込んだ。田尻社長へのインタビュー依頼が入るなど、良い反応が得られたという。

　樋田代表は「私たちが社長の代弁者になって、日本中のいいものをしっかり発信していきたい」と話す。