コンビニで公共料金を払っている人のイメージ

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水深日本一１９メートルの公共桟橋完成
下松地区埠頭、国際競争力を強化

山口県下松市東海岸通りの徳山下松港下松地区埠頭（ふとう）に、公共桟橋としては日本一の水深１９メートルを誇る桟橋が完成した。ケープサイズ級（最大積載量１２～２０万トン）の大型貨物船の寄港が可能となり、石炭やバイオマスなど西日本一円のエネルギー供給拠点として物流の効率化と国際競争力の強化を図る。

　桟橋は長さ３９０メートル。周南市の新南陽地区や徳山地区の港湾整備費用と合わせて総事業費は５４４億円。うち下松港桟橋の事業費は３３８億円。内訳は桟橋を整備した国が２４５億円、用地を取得し臨港道路の整備をした県が１７億円、アンローダーと呼ばれる荷役機械やベルトコンベヤーを整備したやまぐち港湾運営が７６億円。

　ケープサイズ級の石炭運搬船初寄港に合わせて２５日、現地で完成式典があり、関係者ら約３００人が出席。代表者がテープカットをして完成を祝った。この日、初入港した船は全長約２９０メートル。オーストラリアのニューカッスル港から１８万トンの石炭を積載し、約２週間かけて下松地区桟橋に寄港した。

　徳山下松港は２０１１年に国際バルク戦略港湾に選定。国土交通省によると、２３年の石炭取扱量は徳山下松港が１１０９万トンで全国最多。これまではパナマックス級（最大積載量６万～９万トン）の寄港が基本だったため、桟橋の完成で海上輸送が効率化する。
村岡嗣政知事は「桟橋の完成により一括大量輸送が可能となり、安価で安定したエネルギーの供給に貢献できる。周南エリアのコンビナート企業群は県の成長を引っ張っており、企業の生産性や国際競争力強化の大きな力になることを期待する」と話した。