水没した地下駐車場、防水扉の故障が所有者である国に報告されていたのに修理されていなかったか

水没駐車場の防水扉の故障、定期点検で把握か　民間会社「国に報告」

記録的な大雨によって水没した三重県四日市市の地下駐車場の車用出入り口にある電動式防水扉が故障していた問題で、維持管理を担う民間会社が、駐車場所有者の国に故障を報告したものの、その後、修理などの対応が取られていなかった可能性があることがわかった。

民間会社が取材に明らかにした。国土交通省は有識者委員会の初会合が開かれる26日にも経緯を明らかにするとしている。被害の拡大にどのように影響したのか、今後焦点の一つになりそうだ。

地下駐車場は、市などが出資する第三セクターが建設した市道側と国交省が整備した国道1号側からなり、車の出入り口が3カ所、歩行者用の出入り口が7カ所ある。これらの開口部から雨水が流れ込み、地下2階が水没。地下1階も1メートル以上浸水し、274台が被害に遭った。

電動式の防水扉は車が出入りするスロープの地上側にある。金属製で、高さ約1メートル。3カ所全てに設置されていたが、国道側の2カ所が故障していた。

国道側の管理運営を手掛ける、タイムズ24の子会社TFI側は取材に対し、定期点検で防水扉の故障を把握し、国交省三重河川国道事務所に報告していたと説明した。

国交省と同社側によると、修理はTFI、交換は国という分担になっている。両者でどのようなやりとりがあったかなど詳細は「国交省から説明される」（同社側）としている。

国交省は「定期点検の報告は受けているが、どのような中身だったかは現在確認中で、26日に説明したい」としている。

料金徴収など、市道側と国道側の駐車場運営を一体で担う三セクによると、大雨当日は2人の警備員が勤務。歩行者用出入り口に手動で取り付ける止水板の設置は「急激な雨で間に合わなかった」と説明。唯一故障していなかった車用出入り口の防水扉についても「操作が間に合わなかった」としている。

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