健康診断で血糖値異常が見つかって精密検査で膵臓癌ステージ３で。火曜から治療入院するんだけど、心構えとか教えろ

https://digital.asahi.com/articles/ASN6W7H59N6LPIHB01M.html

兵庫）砂糖控える人も安心　芦屋パティシエ手作りお菓子

兵庫県芦屋市の閑静な住宅街で作られている低糖質のお菓子が、健康を気遣う人たちの間で人気になっている。パティシエは病気をきっかけにお菓子作りを始めた女性。病気などで甘いものを我慢していた人たちにささやかな幸せを届ける。

　パティシエは大聖寺（だいしょうじ）真理子さん（55）。経営する「ひみつのひとさじ」は同市岩園町にある。一軒家の1階が、彼女が「アトリエ」と呼ぶ作業場だ。ここで母親や妹らと一緒に、ケーキや焼き菓子を手作りしている。

　大聖寺さんのお菓子は白砂糖を使わず、でんぷんを原料とした「還元麦芽糖」を使う。糖尿病患者らの食事にも使われる、低カロリーで血糖値が上がりにくい甘味料だ。砂糖より甘みが弱いため、塩を少し加えて甘みを際立たせるなど工夫をしているという。

　大聖寺さんのレシピノートには材料や細かい数字がびっしりと書き込まれている。「おいしくないとお菓子じゃない」と、材料を1グラム単位で量り、納得のいく味まで試行錯誤を重ねた結果だ。

　市内に住む常連客の小森成樹（しげき）さん（70）は夫婦そろって甘党だが、2人とも医師から砂糖を控えるように言われているという。「妻も私も大聖寺さんのお菓子のとりこ」と笑う。

　大聖寺さんは東京の短大を卒業後、建築デザイナーをめざしてフランスに留学。帰国後は不動産開発の会社に勤め、結婚後は主婦になった。低糖質のお菓子作りを始めたきっかけは、健康診断で見つかった乳がんだ。44歳の時だった。

　健康への意識が強くなったが、おいしいものを食べることもあきらめたくなかった。低糖質でオーガニックな食材にこだわったお菓子を自分で作ることにした。

　子どもの頃からお菓子作りは趣味だった。フランス留学時代に食べたお菓子を思い出しながら試行錯誤を重ね、2012年に当時住んでいた東京で「ひみつのひとさじ」を設立。インターネットの通信販売を始めた。

　昨年9月には両親が暮らしていた芦屋に「アトリエ」を移転。商品は注文を受けた分を手作りするかたちで販売しているが、最近はテレビ番組で紹介されるなどして、注文に作るのが追いつかないほどになっている。

　人気店になったいまも、大聖寺さんが毎年、ケーキを届ける人がいる。乳がんになった時、東京の病院で知り合った女性の遺族だ。女性とは診察の日を合わせるほど仲良くなった。誕生日に低糖質のケーキを作ってあげると、とても喜んだ。「こういうお菓子を作り続けてほしい。必要としている人はいっぱいいる」。そう言ってくれた女性はその3カ月後、32歳で亡くなった。

　大聖寺さんは「甘い物を我慢している人や体に気をつかう人。必要としている人たちに、ぜひ食べてほしい。『愛情』が最後のひとさじなんです」と話す。

　「ひみつのひとさじ」のお菓子はインターネットでの注文の他、「グランドフードホール芦屋」（芦屋市東山町）などで購入できる。問い合わせや注文はメール

自分の人生や健康と正面から向き合え