健康診断で血糖値異常が見つかって精密検査で膵臓癌ステージ３で。来週から治療入院するんだけど、心構えとか教えろ

https://mainichi.jp/premier/business/articles/20201110/biz/00m/020/010000c

30代人事担当が産業医に教わった「過重労働の防ぎ方」

西野さん（仮名、30代女性）は、従業員数約120人の医療関連サービス会社の人事担当者です。最近、この会社の産業医になった私は、西野さんから、従業員の残業や健康管理について相談を受けました。

産業医の面接が必要なケース
　西野さんは「これまでは残業や健康管理の対応が十分にできていませんでしたが、働き方改革の流れもあり、しっかりやっていこうと思います」と前向きでした。

　そこで、まず、残業時間規制の動きから説明しました。

　残業時間に上限を設ける働き方改革関連法は2019年4月に大企業に適用され、20年4月から中小企業も対象になりました。月45時間、年360時間を超える残業は原則禁止となりました。

　臨時的で特別な事情があり、労使で合意した場合でも年720時間以内、単月で100時間未満、2～6カ月の複数月の平均で80時間以内としなければなりません。これまで労使が「特別条項付き36協定」を結べば無制限で残業できましたが、それが改まりました。

　また、長時間労働となった従業員の健康管理のため、医師による面接指導を強化しました。長時間労働は脳血管と心血管系疾患のリスクを高め、月80時間超の残業でリスクはさらに上昇するとされます。睡眠時間も削るため、疲労もたまりやすくなります。

　西野さんからは「面接はどのような手順を踏むのですか」と質問がありました。

　会社は、残業が月80時間超の従業員がいれば、本人にそれを通知しなければなりません。会社は産業医にも連絡し、産業医は従業員に面接指導を受けることを勧めることができます。従業員からの申し出があれば、会社は産業医による面接指導を行わなければなりません。産業医は、従業員の健康状態と就労状況から対応すべきことを会社に伝えます。

チェックリストの活用を
　西野さんの会社は、いまのところ月80時間を超える残業はありませんが、従業員の仕事柄、顧客の対応を優先することで長時間労働になりがちな環境です。西野さんは「今後も従業員の残業時間には注意を払い、面談や健康リスクを周知していきたいと思います」と話しました。

　ただ、産業医との面談となると、ハードルが高いと感じる従業員もいるのではないかといいます。
　そこで、私は、厚生労働省が出している「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」を活用することを提案しました。これは、自分の疲労度が数分でわかるツールです。社内のイントラネットなどで誰でも見られるようにしておくとよいでしょう。

　そして、職場環境について労使で月1度話し合う「衛生委員会」で、残業や面談指導について説明しました。出席した社長は「健康管理のために積極的に産業医の面談を受けてほしい」と話し、管理職が各職場にその方針を伝えたところ、その翌月には従業員数人から面談希望の申し出がありました。健康面で問題がある人はいませんでしたが、健康意識の高まりを感じることができました。

　
メリハリを利かせて
　現在、多くの企業が時間外労働の削減などに取り組んでいることでしょう。残業が減ることは望ましいことです。

　一方で、急に残業時間ゼロを目指すような取り組みは、業務内容に無理が生じたり、従業員のやる気を下げたりする場合があります。現場では「必要な作業があり、残業しているのに、単に『残業をするな』だけではどうしていいかわからない」といった戸惑いがあるようです。

　会社は、なぜ残業するのか、その理由を把握する必要があります。業務に繁閑期がある会社であれば、繁忙期は残業の上限時間を超えないように気を配り、閑散期には「ノー残業デー」を設けたり、積極的に有休を取るように促したりするなど、実情に合わせてメリハリを利かせることも大切です。

って正直に言う