【悲報】年収450万の33歳男性人生終了へ「住宅ローンを組んで不動産投資や！」 銀行「はい規約違反、金返してね」

年収450万の33歳男性が「不動産投資」で自己破産…その「ヤバすぎる末路」

不動産セミナーで声をかけられ…

　秋山裕樹さん(仮名)は独身の33歳で都内在住のサラリーマンだ。年収は450万円ほどである。

以前から不動産投資に興味があり、SNSで「不動産投資で不労所得を得られる」というセミナーの情報を見て興味を持ち参加した。

　そこで出会ったのが、自称不動産コンサルタントのBだった。Bは、あるマンションの一室への不動産投資のメリットをこんなふうに語った。

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・自己資金ゼロで住宅ローンを組み、その資金で不動産オーナーになれる

・サブリース会社(借り上げ会社)と呼ばれる企業が35年にわたって物件を借り上げ、家賃を保証する「35年借り上げ方式」なので、家賃滞納の心配もない

・自分が死んでしまった場合に住宅ローンの支払いを肩代わりしてくれる「団体信用生命保険」に加入できるので生命保険代わりになる

・住宅ローンの返済が済んだ老後は、家賃収入がそのまま秋山さんのものとなる
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　自己資金ゼロで不動産を自分のものにでき、老後の収入が期待できる――秋山さんはこの説明にとても魅力を感じた。

　Bに「とりあえずローンの事前審査をしてみましょう」と言われ、後日、申込書に記入、身分証明書や収入証明をメールで送った。数日後、「事前審査が通りました。物件も決まりましたので、契約に進みます」と言われ、郊外の築30年の2LDKのマンションの販売チラシをBから提示された。

　話があまりにスピーディに進むのと、物件の築年数が古かったので少し不安はあったが、持ち出しゼロで不動産オーナーになり、サブリース会社が35年借り上げてくれる家賃収入でローンの返済ができると聞いていたので大丈夫だと思ってしまった。売買契約をするときに不動産業者Cを紹介され、売買契約を締結した。

　その後Cと一緒に金融機関に行き、ローンの契約(金銭消費貸借契約)をすることになったが、その契約の前にCからは「結婚するので自宅を買うと言ってください」と言われる。

　秋山さんは不思議に思い、なぜそんなことを言うのか？　と聞くと、

　「住宅ローンなので、自宅を買うという形にしないと借りられないのです。でも金融機関の人も分かっていますし、みんなやっていますから問題にはなりません」

　と言われた。

　また「住民票を少しの期間だけでいいので購入するマンションに移転してください。1ヶ月位で戻して大丈夫です。ローンの審査のためで、問題にはなりません」と言われ、面倒だなとは思ったが、そんなものかと従った。

　その後、無事にローンの審査が通り、決済手続きをして不動産(前出の2LDKのマンションの一室)のオーナーとなった。

ソース
https://news.yahoo.co.jp/articles/291990a62b3bd39ba31123ce88179284456c2b96?page=1

　家賃は月額11万円に設定し、Cから紹介されたサブリース(借り上げ)会社Dと借り上げ契約をした(つまり、D社から秋山さんに11万円が支払われる形だ)。
収支は固定資産税分くらいがマイナスだったが、持ち出しゼロで不動産オーナーになれて、ローンの返済は家賃収入が保証されていて、将来の家賃収入になるなら、と納得した。住民票は、Bに言われた通りに移動し、1ヶ月程して元に戻した。

　1年程経ったある日、ローンを組んだ金融機関から通知が届いた。

　内容は、「購入したマンションに住んでいるか？」といったのおうかがいの連絡で、事情を聴きたいので面談をしたいとの内容だった。

　不動産業者Bに連絡してみると、「住んでいることにしてください」と嘘をつくように言われた。本当に大丈夫なのか？　何度も連絡したが、とうとう連絡が取れなくなった。
不安になった秋山さんはインターネットで調べてみると、住宅ローンを組んで不動産投資をして、契約違反で一括請求を求められているケースが多発していることを知る。

　あとで詳しく述べるが、じつは本来、住宅ローンを使って不動産投資を行ってはならない。秋山さんのケースでは、BやC、Dといった悪徳事業者がグルになって、詐欺まがいの方法で秋山さんに住宅ローンを組ませて不動産投資をさせ、手数料で利益を得ていたのである。

　こうした手法にダマされる人は非常に多い。そのため、住宅ローンを組んで不動産投資をした顧客に対し、不正融資に関する調査が進められてきたが、昨年の住宅金融支援機構の発表では、162件の調査をしたうち148件の詳細が明らかになり、その中の145件が不正融資だということが判明した。金融機関は債務者である不動産所有者に対しローン残高一括返済の請求を求めている。その総額は33憶円とのことだ。

　これは不正が判明した数字だが、実態はもっと多数の事例があるとも言われている。

　私のところにも、ダマされた人たちから相談が寄せられているが、そのほとんどが、事業者グループ(複数の紹介者や不動産仲介業者、売主不動産業者、サブリース事業者)が不動産に無知な人たちを言葉巧みに住宅ローンで投資物件を買わせたことによるもので、詐欺とも言える手口や宅地建物取引業法に違反するような事例も多数あった。

　この契約の売主である不動産業者Eは不動産仲介会社Cの関連会社だった。そして、借り上げ契約の家賃は11万円だが、周辺の賃料相場から見ると8万円が適正であり、あとから分かったことだが、実際に賃貸で入っている入居者の家賃は7万8000円であった。

　つまり借り上げ契約の家賃11万円は、Aさんの住宅ローンの返済額と管理費、修繕積立金の返済ができるように設定された家賃であり、そんなマイナス3万2000円の逆ザヤになる借り上げ賃料は35年続くとは思えない。現に借り上げしているサブリース会社Dは会社の実態がないような会社だった。

　秋山さんは金融機関と面談で、「全てコンサルタントBと不動産業者Cに言われてやったことで、住宅ローンで不動産投資をしてはいけないということを知らなかった」と説明をしたが、金融機関は秋山さんに対して、契約違反による「期限の利益の喪失」をせざるを得ず、「住宅ローン残高全額を一括返済の請求」をせざるを得ないと言われた。

　そうなると解決方法は、

　(1)全額一括返済(約2800万円)する
(2)オーバーローン分(約1500万円)を補填し、売却する
(3)投資物件ローンに借り換える

　となるが、

　(1)一括請求をされても、2800万円のお金など用意できない。
(2)売却するにも1300万円の時価であり、賃貸中の物件のため更に価格が下がってしまう可能性が高く、オーバーローン分を補填できない。
(3)投資物件ローンは物件評価に対し掛け目が入り、フルローンは難しいためオーバーローンでの借り換えは不可能

　といった状況だった。

　秋山さんは「騙された！」と思い弁護士に相談したが、事業者グループを訴えることは難しいと判断され、自己破産することを勧められた。

　一番悪いのは不動産事業者グループではあるが、不動産取引は利益が大きいだけにどんなに気を付けていても、手を変え品を変えやってくる。人の「欲」や「不安」に付け込み、甘い話を持ち掛けてくるのだ。

　「無知は罪」ともいうが、そういった話に引っかからないようにするには自己防衛するしかないということだ。

　不動産投資は本来堅い投資だが、一歩間違うと金額が大きいだけに一機に破綻に追い込まれる。投資のつもりが破産で追い込まれた例は後を絶たない。

　「大丈夫だろうか？」「何かおかしい」という自身の直感を信じ、甘い話には乗らないことだ。

嘘松