サラリーマン「酒が飲めないなら店に行かない。路上飲みも批判された。何かをみんなでつつく社会の風潮がつらい。酒くらい飲ませろや」

アルコール欄に「×」出て行く客…夜の新橋、店はため息

3度目の緊急事態宣言が出て最初の平日となった26日の東京・新橋。夜の人の流れは変わったのか。
　午後6時すぎ、スーツ姿の人々の大半は駅へと向かっていた。「人出は先週の半分くらい。それもみんな帰宅するサラリーマンばかり」。呼び込みをしていた飲食店従業員の20代女性は、ため息をついた。

　駅周辺には「のんアルで営業中」などと看板を出して営業している飲食店も半数近くあるが、「5月11日まで休業」の貼り紙が目立つ。消灯している店が多いせいか、いつもより一帯は暗い。
　店を開けていたホルモン焼き店は、店先のメニュー表のアルコール欄に粘着テープで×印を付けていた。それでも入店した十数人の客に、「酒は提供していない」とあらためて説明すると、「それなら……」と出て行ったという。緊急事態宣言前なら夕方には8割方埋まっていた店内はガラガラ。これまでも時短要請などには応じてきたが、30代の男性店長は「今回の『禁酒』が一番痛い」ともらした。

「何かをみんなでつつく社会の風潮がつらい」

　一方、駅前広場では缶チューハイを手にするサラリーマンの姿も。50代と60代の男性は、会社帰りに30分ほど路上や公園で缶チューハイを飲む時間を「路チュー」と呼び、コロナ禍前からの「一番の楽しみで息抜き」にしていたという。
　ただ、「路上飲み」を控えるよう呼びかけるニュースを見て、大っぴらに飲むのはやめた。「何かをみんなでつつく社会の風潮がつらい」とこぼし、保冷カバーで隠した缶チューハイをぐっと飲み干した。
　今回と過去2度の宣言後初の日曜日（午後3時台）について、新橋駅周辺の人出をソフトバンクの子会社「アグープ」のデータで分析した。25日の人出は、1度目の宣言時（昨年4月12日）と比べ約2・3倍、2度目の宣言時（今年1月10日）と比べて約1・1倍だった。（山岸玲、長野佑介）

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