オシッコしたくてトイレ行くのにチョロッと少ししか出なくてまたすぐオシッコしたくなる・・・・なんだよこれ・・・もうヤダ

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浴槽に沈んだ父、母は電話のそばで…孤独死、2人なのに

真冬の曇り空の木曜日。見慣れた実家の周囲には、黄色い規制線が張られている。はやる気持ちとともに、それをくぐって玄関へ。そこで対面したのは、横向きで倒れたまま、動かない母の姿だった。
傍らの小たんすにある電話機が目に入る。コードがぶらんと伸び、受話器はだらりと床に。そばには、書類が散乱していた。中には男性の携帯電話番号が記されたものも。そして台所には、食後のコーヒーを飲んだカップが二つ。炊飯器に残ったご飯は乾いている。まるで時が止まったかのように――。
2人孤独死とは
2019年1月10日。大阪府守口市の実家で、物言わぬ母と対面する1時間ほど前だった。男性（49）はその知らせを、大阪市の勤務先で聞いた。電話口の警察官に、思わず聞き返す。「2人とも、ですか？」
腎不全を患っていた父（当時88）、ひざも心臓も弱くなっていた母（同83）。携帯電話の画面に表示された番号が警察からだとわかった瞬間、どちらか1人の死は覚悟した。でも、まさか2人ともとは……
父とはその場では会えず、亡きがらに対面できたのは、パトカーで向かった近くの警察署。安置されていたその顔は、眠っているかのよう。警察からは、自宅の浴槽の中に座った状態で亡くなっていたと聞かされた。お湯を飲んだ跡もあり、溺死（できし）とみられるという。
「俺しかおらんから」足を悪くした母を父が
男性は当時の状況をこう考えている。
「戻ってこおへんか」。母がふいに口にしたひと言。病状を語らなかった気丈な父。まさか、でも多くの家族におこりうる、そんな問題に直面した人たちの思い、背景にあったものとは。
父は夕食後、入浴中に気を失ったのか湯船でおぼれ、浴槽内に沈んだ。母はそれに気づいて引き揚げようとしたが、小柄な父とはいえ、自分の身の回りのこともできなくなっていた母には難しい。助けを求めて長男である男性の電話番号を探し、受話器を手にとろうとしたが、そのまま倒れ込み、衰弱の末に亡くなった――。
外れたままの受話器のそばに散乱していた、男性の携帯が記された書類がそれを物語っている。ただ、男性の携帯電話には着信履歴は残っていなかった。きっとそれは、2人が遺体となって見つかる2、3日前の出来事だったのだろう。
まじめで厳しかった元営業マンの父。おとなしくて優しい母。福岡で生まれ育った両親は、40歳前後になって大阪で所帯を構えた。ともに演歌が好きで、美空ひばりや天童よしみ、氷川きよしの曲をよく聴いた。
三つ違いの弟と4人で毎日食卓を囲んだ。誕生日はいつも、ちらしずし。父が出張で家にいない時、母が連れて行ってくれる中華料理屋のちゃんぽんが楽しみだった。
弟は大学進学と同時に関東へ。男性は30歳ごろに仕事の都合で大阪市内に転居。実家は高齢となった両親だけが残った。
2年ほど前から母は足が動かなくなった。父が慣れない家事や買い物、掃除、洗濯を一人でこなす。それが気がかりだった男性は、週末は実家で過ごすようにしていた。
この年の正月休みもそうした。この時は弟も一緒だった。お互いこれが最後とは、わからないままに。
「第1通報者」は、父の友人の男性（76）だった。近くの公園でパークゴルフをする約束をしたのに、迎えに来ない。電話をかけても「ツー、ツー」と、ずっと話し中の音しかしない。逡巡（しゅんじゅん）の末に家を訪ね、警察に通報。駆けつけた警察官が、屋内で死亡していた2人を見つけた。
「朝昼晩とご飯を食べさせて、風呂にも入れんねん」「きょうはラーメンを食べさせるんや」。友人は、こう言っていたのを覚えている。そして、こうも。「面倒はみなあかん。俺しかおらんから」
体調は良くなかったはずだった。「医者から『入院しないといけない』と言われた」とこぼすのも聞いた。施設に入れることを勧めたが、「嫁が嫌がるから」と耳を貸さなかった。
最後の会話は、遺体で見つかる5日前のこと。
「正月に息子が来て、にぎやかにさしてもろうて」
うれしそうに話し、パークゴルフの約束を確認した日だったという。
ふいに言われた「戻ってこおへんか」
男性は亡き母の言葉を思い出し、今も後悔していることがある。
「戻ってこおへんか」
2人が亡くなる4カ月ほど前。実家で過ごしていた時に、母からふいに言われた。この時、あまり深く考えなかった。
「今すぐには無理。ここは狭いし、自分の荷物もあるから」
こう素っ気なく返してしまった。今思えば、独居ではなく2人だから大丈夫と思っていたのかも知れない。母も、それ以上は何も言わなかった。自らの介護を一人で担う父を気遣っていたのではないか、と思う。

毎朝ものすごい尿意で目覚めてトイレに駆け込むので
いつか漏らしちゃうんじゃないかと毎日心配になる