母ちゃんが風呂場で死んでるっぽいんだけど、どうすればええの？

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高校の合宿中、男子に盗撮された風呂「写真見た」拡散の不安いまも

関西の大学に通う女性（21）は、あのときの写真が出回っているのではないかという不安を抱えて暮らしている。
高校1年の冬、スキー合宿に参加した。合宿中、別の女子生徒が「男子に風呂をのぞかれた」と教師に訴えていた。直前までタオルで体を隠し、浴槽に入った。
隣の男子風呂との仕切りの柵の上に男子生徒の頭のようなものが見えた。急いで風呂を上がり、部屋の個室風呂に入りたいと教師に懇願したが「個室風呂は生理中の生徒のみ」と、聞き入れてもらえなかった。
だが、男子風呂からだけでなく、旅館の一部の部屋からも女子の露天風呂が見えていた。
合宿から帰って1週間ほど。同級生に「お前の裸の写真が出回っているらしいで」と言われた。別の男子生徒にも「LINEで写真を見た」と言われた。
合宿のとき、男子生徒が自室から露天風呂を見下ろしてスマホで撮影し、所属している野球部のLINEのグループに投稿していたと後から聞いた。
母親（49）に「あんな学校に行きたくない」「なんでこの高校を選んだんやろう」とは言ったが、詳しくは話せなかった。《学費を払ってもらっているのに申し訳ない》。そう思い、必死に登校を続けた。
学校に行くと、《この子も見たのかもしれない》と考えてしまう。不安と恥ずかしさで寝られず、食欲もなくなって、10キロ近くやせた。自殺も考えた。
へらへら笑う男子たち学校は守ってくれなかった
半年たったころ。知り合いの女子生徒が「この写真、そうやろ？」と、心配してLINEで送ってくれた。見た瞬間、スキー合宿の露天風呂での自分とわかった。タオルを体の前に掲げて男子風呂から必死に遮っていたのに。それでも撮られていた。
母親に盗撮の被害を伝えた。高校になじめないから辞めたいと言っていると思っていた母親は娘が死ぬことも考えたと聞いてがくぜんとした。当時を振り返って「『転校にもお金がかかる、何とか頑張って学校に行くように』と励ましてしまった」と悔いる。
母親は教師らに調査をするよう訴えた。だが、教師らは「生徒数人に聞き取りしたがわからなかった」と言うのみ。女性は2年の夏に退学し、別の学校に転校した。
その後、警察に被害届を出した。撮影した男子生徒は軽犯罪法違反で少年事件として処分されたという。かつての高校の同級生たちとは縁を切ったが、写真が拡散していないか不安は消えない。
学校からは盗撮被害にあったことについて「遺憾の意」を示された。だが教師らは最後まで「もし盗撮があったとしても、スキー合宿にスマホの持参は禁止しているので学校に責任はない」と言った。
女性は「学校に守ってもらえなかったことにも傷ついた」と話す。盗撮のことを口にした男子生徒たちのへらへら笑う顔が忘れられない。
「ちょっとしたネタだと思っているのでは。学校も男子生徒も性暴力を軽視している。被害に遭った人がどんなに思い詰めるか。『犯罪なんだ』とちゃんとわかってほしい」と話す。
相次ぐ学校内盗撮対策に手回らず
「子どもへの性的な盗撮は予想以上に横行している」。北九州市で盗撮の防犯ボランティアをしている古門千春さん（35）は、危機感を強める。
公衆トイレなどにカメラが隠されていないかを確認したり、企業や商業施設などに盗撮防止を呼びかけたりしているが、ネット上で、学校内で盗撮したとみられる画像も目にする。
ツイッターで「この子の画像いる？」などと、盗撮の隠語とともに校内で撮影したとみられる女子生徒の制服の画像が投稿されていたこともあった。ダイレクトメッセージでのやりとりを誘導するような呼びかけもある。
最近では教員による学校内での盗撮も相次ぐ。4月には東京都三鷹市立小学校の男性教諭が複数の小学校やスポーツ施設で、小学生が着替える様子などをスマホで撮影したとして児童買春・児童ポルノ禁止法違反（製造）などの疑いで逮捕された。教諭は罰金50万円の略式命令を受けた。6月には、足立区立の小学校の男性教諭が、勤務先のトイレで女児を盗撮したとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された。教諭は、同罪や建造物侵入、都迷惑防止条例違反などの罪で起訴され、東京地裁で懲役1年6カ月執行猶予4年の判決を受けた。
古門さんたちは学校内にカメラが仕掛けられていないか検査できるよう、学校や教育委員会に校内の点検や機材の配布を提案したこともある。だが、反応は芳しくないといい「学校側も忙しく、防犯対策まで手が回っていないのが現状です」とこぼす。
安価で高性能の小型カメラが普及し、画像がネットを通じて売買されることもあるという。