スペインで日本式大掃除がブームに

スペインの複数メディアで日本の年末の大掃除の習慣が取り上げられている。季節の変わり目の新たな始まりを機に日本の習慣を取り入れてみては？　という文脈で紹介されたものだが、どこか大袈裟にも聞こえるような説明がされている部分も……。

スペインの「ABC」紙は、「近藤麻理恵よりも古くからある日本の片付け・掃除の方法」と題し、同国でも知名度の高い「こんまりメソッド」と比較しながら大掃除を紹介した。

同紙によると「オーソージは日本の一部の家庭で毎年12月28日に行われ、1年を幸先よく締めくくり、新たな気持ちで次の年を迎えるための習慣」。スペインにも全体的に掃除をする習慣があるが、日本古来の習慣である大掃除はそれ以上の意味があり、「精神的な癒し」だという。

紹介された大掃除の方法は、定番の掃除方法に加えて、まずは大掃除の日にちを設定し、当日は携帯電話の電源を切るか、飛行機モードにし、気を取られないようにすること。さらに大掃除の特徴は、清掃だけでなく、切れた電球を交換したり、修繕が必要な場所を直したり、使えなくなったものを交換したりすること、とされている。

また、大掃除をすることで、掃除、整頓、不要なものを捨てることで浄化作用がある、家の中が整理されていると頭の中も整理される、などのメリットを同紙は挙げている。さらに、「オーソージをすることでネガティブな要素を取り除き『今、ここ』に心を集中させることができる」と「マインドフルネス」の効用も言及された。

「20ミヌットス」紙も「家の掃除でも癒されることがあると知っていました？　日本には最も深く根付いている伝統の1つに『オーソージ』というものがあり、これは新年を迎えるために行われるもの」と書き出した。

同紙は「日本人はこの手法を、古いものを手放し、来るべきものを後押しするためのスピリチュアルな方法として用いている」と説明。しかし、近藤麻理恵は不必要なものを処分するためのさまざまなアドバイスを提供するのに対し、「オーソージ」はさらに一歩進んで「日本人にとって物心両面の重荷を過去のものにするための儀式」と大掃除を定義した。

具体的な手法としては、通常の掃除方法に加えて、やはり「テレビや音楽、携帯電話の電源を切り、作業だけに集中して、気持ちを切り替えて」「音楽をかける場合は、作業で気が散らないよう、リラックスできるようなメロディに」などと、瞑想のやり方さながらの説明も並んだ。

「バングアルディア」紙も、「自宅やオフィスを徹底的に掃除をしようと思っているなら、“オーソージ”メソッドを使うべきかも」などと書き出し、「これは日本の儀式で、物理的な掃除を利用して、心を清めることを提案するもの」「日本では、12月の終わりに、物理的・精神的な重荷など前年から持ち越さずに、新しい年を迎えるために行われる」としている。

さらに、朝から1日集中してやること、携帯電話を切ることといった他紙と似た手順を紹介。最後に大掃除のメリットとして「1つのことをちゃんとするために集中するということはつまり、かの有名な『今、ここ』であり、忙しい現代社会では必要だ」と、やはり「マインドフルネス」に言及した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9f966f65474a90b4babd660caa8dc995bbf73a93

Oosoujiシステム：近藤麻理恵さんが影響を受けた日本古来の掃除・片付けの方法
https://www.vanitatis.elconfidencial.com/amp/estilo/decoracion/2021-10-09/metodo-oosouji-japones-orden-limpieza-casa_3302073/

人気急上昇中の日本の新しい掃除方法
https://www.levante-emv.com/vida-y-estilo/decoracion/2021/10/11/oosouji-nuevo-metodo-japones-limpiar-13899805