高島平団地、タワマン化へ

東京板橋区の高島平団地で都市再生機構（UR）が、賃貸の7棟（1955戸）を高さ約110メートルのタワーマンションに建て替える計画が前進した。
板橋区都市計画審議会が21日、建て替えに必要な区の地区計画について、賛成18、反対1で可決し、区に答申した。
区は6月ごろに正式決定する見通し。その後、URが建て替え着手を表明する運びだ。（増井のぞみ）

21日午後1時、板橋区役所で審議会の傍聴受け付けが始まった時、すでに団地住民ら18人が行列をつくっていた。
東京新聞のほかテレビ局や別の新聞社の記者の姿もあった。審議会の会場には、傍聴に並んだ先着30人が通され、午後2時8分に審議が始まった。

◆地区計画を区に答申、正式決定は6月ごろに
区の佐伯和宏・高島平まちづくり推進課長が地区計画について「高島平地域の連鎖的都市再生を力強くリードしていく」などと説明。
連鎖的都市再生とは、団地をいっぺんに建て替えるのではなく、順番に建て替えることを意味する。
今回の計画の対象は、全て賃貸となる高島平2丁目の33街区だ。
3月7〜28日に募集した地区計画への意見書は、住民ら137人から297件が寄せられた。

高島平団地タワマン計画について、板橋区に答申した区都市計画審議会
佐伯課長はこう話した。「賛成、反対だけでなく提案も寄せられた。職員が膝詰めで話した地道な取り組みが実った」。
1-3月、「まちづくりギャラリー」「オープンハウス説明会」と銘打つ個別相談会を開いたことを報告した。

◆タワマンに住み替えたら家賃どうなる？
地区計画では、タワマンにして戸数を増やすため、区が高さ制限を45メートルから110メートルに緩和する。タワマン下層部には、スーパーなどの商業施設も入る。
増える車の交通量を処理するため、建設予定地の旧高島第七小西側の区道は延伸して、歩道と緑地を分断し都道の高島通りにつなげる計画だ。
4月15日、地区計画に反対する3538筆分の署名を、高島平二丁目団地自治会と高島平三丁目団地自治会が区に提出したばかりだ。
署名で坂本健区長に求めたのは3点ある。
（1）33街区（7棟1955戸）からタワマンに住み替える場合の将来的な家賃などの住民説明会の開催
（2）タワマン建設などのために区道2本を延伸し歩道と緑地を横切り都道の高島通りに接続する計画の見直し
（3）タワマンの高さの上限110メートルの再考

◆「期待している人多い」は、地元の意見なのか
タワマン建設予定地の西側の区道（手前）。区の地区計画では、区道を奥に延伸し、これまで車が通らなかった歩道と緑地を車が通るようになる
審議会で、佐伯課長の説明を受けた委員は次々と質問した。
民主クラブ区議のおなだか勝委員は質問した。「反対意見が多かった区道は、高層棟の工事車両のためか、高層棟の自家用車のためか、両方か？」
佐伯課長は繰り返した。「将来の利用を見据えたもの」
自民区議の間中りんぺい委員は要望した。「意見書の読み応えがある。今後も住民の意見を聴く機会をつくってほしい」

https://www.tokyo-np.co.jp/article/400101

https://www.tokyo-np.co.jp/article/387301