洗濯機設置自分でやってもええの？

https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=101&ng=DGKKZO88699350V10C25A5TB2000

ヤマダとニトリ 「住」で火花
ヤマダ、格安PBドラム洗濯機投入

ヤマダホールディングス（HD）は4月からプライベートブランド（PB）のドラム式洗濯乾燥機の販売を始めた。価格はニトリホールディングス（HD）が2024年秋に先行投入した製品とほぼ同水準に設定した。ともに「住まい」をテーマに事業領域を広げるだけに、競合によって「火花」を散らす場面が増えている。

4月26日、「LABI LIFE SELECT　品川大井町」（東京・品川）の洗濯機売り場にはパナソニックや東芝などのドラム式洗濯乾燥機とともに同日発売のヤマダHDの新商品「RORO（ロロ）」が並んでいた。30万円を超える機種もあるなか、機能を絞ったことで販売価格を10万9780円と表示していた。
「乾燥機能付きでこの値段とは」。来店していた50代男性はその場で購入を決めた。ヤマダHDの松野顕経営企画部長は「予想以上に大きな反響がある」と話す。
開発にあたり意識したのが、ニトリHDが24年秋に先行投入した9万9900円のPB製品だ。ヤマダHDは中華系メーカーに製造を委託するPB製品を投入した。中華系メーカーとは販社を通さず直接取引する。「販売価格は安くても利益は出る」（ヤマダHD幹部）
ニトリHDの関係者は「ドラム式洗濯機の報道を見たときに社内がざわついた」とヤマダHDの動きに神経をとがらせる。
日本電機工業会（JEMA）によると、24年度のドラム式洗濯機の国内出荷額は1994億円と、14年度比で2.4倍に増えた。家電の多くが伸び悩む中、ドラム式は高価格帯品の販売も堅調だ。各家電メーカーも開発に力を入れる領域で、価格競争力で成長してきたヤマダHDとニトリHDがぶつかりあう。中華系メーカーのある担当者は「脅威と捉えている」と戦々恐々だ。

ヤマダHDは住まいに関わるあらゆるモノを一元的に提供する「くらしまるごと」戦略を進めている。祖業の家電販売だけでなく、住宅やリフォーム、家具、インテリア、蓄電池などを店舗や電子商取引（EC）で取り扱う。PB家電の強化もその一環になる。
M&A（合併・買収）も進め、11年のエス・バイ・エルを皮切りにレオハウスやヒノキヤグループといったハウスメーカーを買収してきた。19年12月には高級家具の大塚家具も子会社化した。24年春には韓国・現代自動車の電気自動車（EV）の新車を直接仕入れで販売するなど自動車の取り扱いを強化し、24年秋には米テスラの家庭用蓄電池を発売した。
ニトリHDの創業地は札幌市、ヤマダHDは群馬県前橋市といずれも地方発の企業だ。それぞれ似鳥昭雄会長と山田昇会長というカリスマ創業者が経営を担い、一代で大企業に成長させた。ニトリHDは家具・インテリアを祖業とし、住まいに関わる周辺事業を強化している。ニトリHDの似鳥会長は「衣食住の『住』に力を入れるのはヤマダHDも同じですよね」と競合は避けられないとみる。
専門部署を設置
ニトリHDは22年、エディオンに出資して家電の共同開発などに取り組んでいる。家電売り場を拡大し、300億円程度とみられる家電事業の売上高を数年以内に1000億円まで引き上げる計画を進める。大手家電メーカー出身の中途採用を増やしており、80人規模の家電専門部署も設置した。
家電の領域まで踏み込むニトリHDに対し、ヤマダHDの首脳はエディオンへの出資などを例に挙げ「家電量販の合従連衡に野心がある」と警戒する。
ヤマダHDの関係者は「家電市場が縮むなか、このままではだめだということで10年以上も前から『くらしまるごと』を進めてきた」と話す。同社の連結売上高は11年3月期の2兆1532億円がピークで、その後は2兆円を下回る。
家電量販のビックカメラやヨドバシホールディングス、ノジマなど同業だけではない。ニトリHDをはじめとした異業種を含めた競合が激しくなる

ちなみに俺はできない