日本人「みんなちがって、みんないい？」「ルールがーマナーがー協調性がー郷に入れば郷に従えだよ」一丸となって頑張ろう🙆」

「みんなちがって、みんないい」―本当にお互いを生かし合えていますか―
https://www.kyobun.co.jp/article/2025092508

学校現場では、今でも「みんな仲良く一緒に」といったスローガンを目にします。確かに一体感があることや、仲が良いことは素晴らしいことです。
しかし、それが行き過ぎると「調子を合わせられない人は誰か」「みんなと違っていることはおかしい」といった視点が先立ち、比較や排除の理論が生まれます。
その結果、子どもも教職員も、一人一人の個性が押しつぶされ、自分らしく過ごすことが難しくなってしまうのではないでしょうか。

本当に大切なのは、「みんなで同じことを一斉にすること」ではありません。それぞれの役割を「適材適所」で分担し、上手に交代しながら助け合うことです。
Herzberg（1959）の二要因理論は、人には「衛生要因」と「動機付け要因」があることを示しています。不公平感ややらされ感は不満を生みますが、
自分の強みを発揮できる場に置かれることで人はやりがいを感じ、感謝の気持ちが自然に芽生えると考えられます。

さらにDewey（1916）は「教育は生活そのものであり、協働的な経験を通じて成長する」と説いています。
ここでいう「協働」とは、全員が同じことを一律に行う「共同」ではなく、互いの違いを尊重し合って協力することだと私は理解しています。
違いを排除せず、むしろ強みとして生かし合う関係の中でこそ、子どもも大人も安心して力を発揮できるのではないでしょうか。
さらに、近年のポジティブ心理学の研究（Seligman & Csikszentmihalyi, 2000）でも、それぞれの強みに基づくアプローチが
やりがいやウェルビーイングを高めることが明らかになってきました。

一人一人の長所を生かし、苦手なことは助け合う――このような、至ってシンプルな原則こそが、実は最も大切なのかもしれません。
働き方改革や探究的な学びが重視される今だからこそ、「みんな一緒」に縛られるのではなく、「みんなちがって、みんないい」と心から言える関係性や風土を築いていきたいですね。