大阪市「大阪駅前の開発用地は巨大な緑地公園にする」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD130L60T11C22A2000000/
かつて梅田貨物駅があったJR大阪駅北側の再開発地区「うめきた2期」ではオフィスビルやホテル、高層住宅の建設が活発に進んでいる。最大の特徴は主要駅の駅前としては世界にも例がないほど広い緑地。実現には「ほんまもんのみどり」を目指す関西経済同友会の粘り強い活動や市民の署名運動があった。

大阪が気になって仕方ない

進展は21世紀に入ってから。「2003年度末までの土地処分完了」という閣議決定の期限を前に、関西経済同友会は01年11月、「24ヘクタールの切り売りを避け、一体的な潤いのある街づくりを」と提言した。このうち7ヘクタールの先行開発地区（うめきた1期）は「グランフロント大阪」として13年に街開きした。産学官の知をつなぐナレッジキャピタルや商業施設、オフィス、住宅が集積する新しい大阪の顔になる一方、十分な緑地は確保されていない。

しかし土地を所有する旧国鉄清算事業団は高値売却による債務返済が大方針。経済界には1期同様に土地の高度利用により開発効果を追求すべきだという意見が根強かった。09年に官民の協議会が示した2期ビジョンではビルが中心で緑地は1ヘクタール程度の案が示された。さらに当時の平松邦夫市長はサッカーW杯誘致へ8万人規模の巨大スタジアムを建設する構想に賛同し、「みどりのうめきた」は風前の灯となった。

ところが11年に大きく潮目が変わる。まず3月の東日本大震災で防災空間への意識が高まり、ヒートアイランド現象で環境問題にも注目が集まった。11月の大阪市長選挙では「うめきたを（ニューヨークのような）セントラルパークに」と訴えた橋下徹府知事が市長にくら替え当選した。

どう考えてもいらない